「やんごとなき一族」で“怪演”の「松本若菜」 38歳の今とバイトは“週8”だったこともある下積み時代を語る

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 今期のドラマ「やんごとなき一族」(フジテレビ)で、ヒロイン・土屋太鳳(27)の義姉・美保子を演じる松本若菜(38)が話題を呼んでいる。劇中で披露する顔芸やクセの強い演技で、今や“松本劇場”と呼ばれるほどだ。芸歴15年にして初の連ドラ主演作「復讐の未亡人」(テレビ東京・7月7日深夜スタート)も控えている。そんな彼女に長い下積み時代などを振り返ってもらった。

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――「やんごとなき一族」では、ずいぶん注目されています。

松本:ありがとうございます。

――“松本劇場”とも呼ばれているそうですが?

松本:あれはもともと松下(洸平)君が名付けたんですよ。SNS用に撮った動画のことで、当初は“美保子劇場”だったんですけど……。

――それが今や「やんごとなき一族」自体を指すようになっている。共演には、尾上松也、木村多江、倍賞美津子、キムラ緑子、高嶋政宏、小沢真珠、長谷川京子、ふせえり、柴田理恵など曲者揃いだ。その中で注目されるのは大したもの。

松本:どうでしょうね、私自身は何も変わっていないと思います。街では声をかけられることもありませんし……オーラないんです(笑)。

――デイリー新潮は「ドラマ『フルーツ宅配便』に出演の『松本若菜』、鰻屋バイトで吉本芸人が絶賛の過去」(2019年03月29日配信)で、《大化けするかも》とブレイクを予想していた。もっとも、これまで彼女が演じてきた役柄は幸薄い女性が多かったから、今回の“怪演”は意外だった。

松本:幸薄い役、切ない役が多かったですね。ただ、実は普段の私は、喋っていても「顔がうるさい」と言われるほど表情に出るタイプなんです。ですから、これまでは表情を抑えて演技をしていました。

初の連ドラ主演

――本来の豊かな表情が解放されたということか?

松本:そうかもしれません。「やんごとなき一族」は今も撮影中なので、周りの意見を聞きながら撮影できるんです。ですから1話の美保子に比べて、回が進むごとに美保子はデフォルメされてきてます。台本もそんな美保子に寄ってきています。負けたくないので、もっと上を行こうと……。

――それが“松本劇場”に繋がるわけだ。それにしても、ヒール役が注目されるのは珍しい。

松本:見ている方がイラっとするように、演出の方からは「台詞は1・5倍速で」と指示をいただいています。併せて、憎めないスパイス、愛嬌もまぶしています。(土屋)太鳳ちゃんから「なんか、美保子って憎めないんだよね」と言ってもらっています。

――一方、7月スタートの「復讐の未亡人」はハードな復讐劇だから、打って変わって凄味のある役だ。

松本:余計なものをそぎ落とした演技ですね。立っている時も、手は組まずにぶらんと落としていたり。衣装も白ですし、所作を削ぎ落とすことで、幽霊ではないけれど、まるで命が吹き込まれていないような人物にしようと。

――連ドラ初主演の意気込みは?

松本:主演といえば、いわゆる座長ですからね。みんなを支えないといけないと思っていたんですが、みんなに頼りっぱなしで……。スタッフも共演者も年下ばかりなのに、一生懸命支えてくれるんです。

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