マスクを規制されたい日本人 「外す基準を出してほしい」と求めるバカらしさ(中川淳一郎)
本当に日本人って一度始めたことをやめられないですね。5月に入ってから政治家やメディアが「脱マスク」について言及を始めました。その際の理由として多く使われたのが「熱中症の恐れがあるから」というものです。マスク生活を続けたい人々は、「熱中症になるというエビデンスを出せ」と反発していますが、そんなものにエビデンスなんていらない。「夏になれば半袖になるでしょう? 皮膚が覆われていれば暑いんだよ」で終了ではないでしょうか。
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しかし、実はこれ、全然ダメな理由です。なぜなら9月に入り気温が下がってきたら、またマスクが必要だってことを意味するんですよ。どうせ政府内でこんなやり取りがあったんでしょうね。
「諸外国ではマスク外しているし、岸田首相も海外の首脳と会う時はマスク外していることに対してツッコミが入っていますなぁ……」
「麻生(太郎)さんも前言っていたけど、『いつまでやるの?』状態になってきましたね……」
「ただ、厚労省も分科会もマスクの重要性を言い続けてきただけに、『着けなくていい』といきなり言うのもね……」
「規制を始めるのは得意なのに、やめるのが難しい国民性ですしね……」
「う~ん、『熱中症が危険だから外していい』という理由はどうですか?」
「それそれ(笑)。マスク様の効果を否定することなく、なし崩し的にやめられそう!」
男性の増毛は少しずつ増やしていき、不自然さを回避しますが、まさにマスクもこのパターンです。「屋外で2メートルの距離が空いてる場合」に始まり、続いて「1.5メートル」にし、2024年までに段階的に2019年以前の姿に戻していく。
やたらと「基準を示せ!」と言う指示待ち国民のために「屋内でも50デシベル以下の声で喋る場合はマスクは不要。51デシベルになったら途端に必要になる」なんて基準ができるかもしれません。なにせ「不要不急の外出は控えてください」というお願いが出た時、「不要不急の基準を示せ!」などと言ってた国民なわけですから。
こうした議論が出てきたのは、「外す基準を政府や厚労省から出してほしい」という声を受けての流れでしょう。しかし、政府にしても「いや、お前ら国民が勝手に着け始めて我々政治家にも要求してきたんだから、勝手に外してくれよ……」と思っているのではないでしょうか。
それにしてもコロナ対策でさまざまな設定が生まれましたね。誰かが苦し紛れに言ったようなことが定説になってしまった。一番バカげていたのが、飲食店の酒類提供が20時まで、という設定でした。この理由については「酒をたくさん飲むと気持ちが大きくなり、つい大声で喋ってしまうから」とされました。
これら騒動のおかしな点は陽性者数が減ったら「皆さんの頑張りのおかげ」で、増えたら「気が緩んだ」という根性論に行き着いてしまうことです。陽性者数が少なかったアフリカ諸国や、5月12日に初めて認めるまで「感染者は一人もいない」と言い張ってきた北朝鮮では皆さん頑張っていたんですかね?