【チュニジア戦総評】吉田と遠藤が狙われ惨敗 そこから得られた教訓は?

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敗北の多い4戦目

 これは「たられば」であるが、1失点目は板倉滉がカバーに入っていたのだから、吉田は背後からタックルしてPKを与えるプレーは判断ミスである。

 2失点目は吉田が相手GKのロングキックを競ってこぼれたのだから、GKシュミット・ダニエルが飛び出してキャッチするなりクリアすべきだったと個人的に思っている。

 しかし、そうした判断力を鈍らせるプレーもチュニジアは仕掛けてきたのではないか。

 パラグアイ戦の勝利から始まって、ブラジルには完敗したがガーナにも勝ち、2勝1敗だった。W杯なら決勝トーナメントに進めた可能性が高い。しかし、ラウンド16を想定するチュニジア戦で、遠藤と吉田が疲弊して敗れてしまった。

 これまでのW杯を振り返ると、決勝トーナメントに初めて進出して指揮官が満足してしまったような02年日韓大会のトルコ戦。上下動を繰り返して疲弊した駒野友一をPK戦でキッカーに起用して敗れた10年南ア大会のパラグアイ戦。そして、後半アディショナルタイムにCKからカウンターを食らい敗れた18年ロシア大会のベルギー戦のように、連戦の4試合目であるチュニジア戦は“鬼門”に思えてしまった。

伊藤洋輝は収穫

 遠藤は明らかに身体が重く、キレがなかった。相手のチャージに身体を入れてブロックしようという意図は分かるが、身体が反応できず半歩遅れてボールを失っていた。

 やはり中3日での4連戦は、本人の自覚以上にダメージが大きいのかもしれない。

 そこでカタールW杯を見据えたら、9月のインターナショナルマッチデーでは、今回はケガで出番のなかった守田英正をボランチで起用するなど、選手のローテーションを試すべきである。

 幸いにも6月の4試合では、板倉が吉田と遜色のないプレーを見せたし、伊藤洋輝は左SBとCBでプレーできる可能性を感じさせた。大きな収穫と言っていいだろう。

 悩ましいのは、チュニジア戦で後半途中から4-2-3-1のトップ下に入った南野拓実だ。彼を生かすことができる最善のポジションはどこか。これはこれで、悩ましい問題でもある。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

デイリー新潮編集部

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