コロナ給付金詐欺、申請代行業者が語った“手口” 自主返還が急増する背景は
欠陥の多いザル政策
政治アナリストの伊藤惇夫氏が言う。
「いまの岸田政権を見ていても、世論に反応しすぎて、軸が据えられていないように思えます。当時の給付の迅速化についても、世論の批判をかわすという意図が岸田さんにはあったのかもしれません」
東京工業大学准教授で社会学者の西田亮介氏は手厳しい。
「コロナ禍でも母子家庭などの生活困窮者に対しての支援は十分でない一方で、企業や個人事業主には2年にわたり現金が給付されています。過去の災害時にも企業への現金給付は前例がほとんどなく、本当に困っている人に対しての支援が手薄になっている。大変な問題だと思います」
とした上で、こう続ける。
「持続化給付金は国税庁職員や経産省キャリアなど、政策を熟知する人たちがお金をだまし取ることができる、欠陥の多いザル政策でした。不正受給の実態は明らかでなく、いま公にされている詐欺の被害金額も氷山の一角だと思います。闇は根深い、と危惧しています」(同)
世論におもねり、バラまかれた「コロナ給付金」。無論、それに救われた企業も多かったに違いないが、一方で私利私欲に走る、さもしい国民の姿も白日の下にさらす結果となってしまった。
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