ペットボトルを持っているだけで批判の対象に 利害が絡む「SDGs」というゲーム(古市憲寿)

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 ワシントンD.C.に移住した友人からこんな話を聞いた。ある女性同士のカジュアルな集まりでのことだ。参加者は経営者の妻が多い。「専業主婦」に風当たりが強い国なので、肩書きとしてはNPOや財団の運営者を名乗り、日々チャリティー活動に精を出す人々だ。

 その中の一人が、集まりに遅れてきた。手に持っていたのはペットボトル飲料。全員の視線が集中する。そのことに気が付いたのか、彼女は「今日はとにかく時間がなかったの」と必死に言い訳を始めた。

 意識が高いそのコミュニティーでは、もはやペットボトルがタブーになりつつあるというのだ。...

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