ガーナ戦総評 肩の力が抜けた久保建英、居場所のなかった柴崎岳、そして上田綺世は?
上田と興梠の共通点
最後に上田である。前半20分、柴崎のクロスにヘッドで合わせたが、これはGKの正面を突いた。
後半11分にはジャンプしながらの胸トラップから味方にパスをつないだ。しかしそれ以外で、上田が躍動したシーンは記憶にない。「ポストプレーで身体を張ったが相手CBに潰された」というプレーが何回あっただろうか。
上田自身は1トップ(3FWの中央)よりも、鹿島で慣れている2トップ(4-4-2)のほうがやりやすいと話していた。
役割を分担できるし、現在の鹿島では鈴木優磨が敵を引きつけてくれるため、ゴール前に飛び込むスペースもできやすいのかもしれない。
チームやチームメイトとの相性もあり、上田は4-4-2のシステムでないと“生きない”選手なのだろうか(逆に大迫勇也は1トップであり、サイドやトップ下では自分は生きないと言っていた)。
彼自身は練習から黙々と努力を続けている。にもかかわらず、なかなか結果が出ないのを見ると、かつて鹿島や浦和でゴールを量産しながら(昨シーズンまででJ1通算158得点)、代表では16試合でノーゴールに終わった興梠慎三(現・札幌)を思い出さずにいられない。
編集部注:上田綺世は12日の18時、ケガのため代表チームから離脱したと日本サッカー協会と鹿島アントラーズから発表された。
[3/3ページ]