ガーナ戦総評 肩の力が抜けた久保建英、居場所のなかった柴崎岳、そして上田綺世は?
日本代表は6月10日、キリンカップ2022でガーナ代表と対戦し、山根視来のゴールで先制すると、後半は久保建英、前田大然の代表初ゴールで追加点を奪い、2日のパラグアイ戦に続いて4-1と圧勝した。
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パラグアイ戦に続く大勝だが、パラグアイ戦同様見るべきものがほとんどない試合だった。パラグアイは昨日、韓国と対戦して2-2で引き分けた。
試合後にギジェルモ・バロスケロット監督は、
「(日本と韓国が)どちらが強いという以前に、日本戦は到着して1日後に試合をした。コロナ対策でホテルからも出られなかった。後から合流し、日本戦にはいなかった選手もいる。そういう面で、韓国戦と日本戦では違いがあり、韓国戦は7日間も準備できた」
と話したそうだ。
森保一監督もW杯アジア最終予選でオマーンやサウジアラビアに敗れた際は、これまでならテストマッチをしてから予選に臨めたが、コロナの影響により海外組が合流してぶっつけ本番での試合の難しさを口にしていた。
このためガーナも、本来の実力を発揮できなかった可能性は高い。
今回のガーナは、来日前の6月2日と5日にアフリカ・ネーションズカップの予選を戦った。このためアーセナルでプレーするボランチのトーマス・パーティは、負傷のため遠征メンバー外。
左SBジョナサン・メンサーは脳震とう、左MFジョセフ・ペインツィルとボランチのイドリス・ババも負傷で来日できず、今回は18人しか遠征に参加していない。
打ち砕かれた期待
ネーションズカップ予選の招集メンバーから14人も抜けているのだから、“2軍”と言われても仕方がないだろう。
実はガーナ戦は、密かに期待していた。
日本は海外組が増えたことでフィジカルコンタクトも確実に成長しているはずだ。それをガーナ戦で確かめたかった。
日本はガーナや隣国のコートジボワール(ブラジルW杯では1-2の逆転負け)、近隣のカメルーン(南アW杯では1-0の勝利)、セネガル、ナイジェリアといった西アフリカの屈強なフィジカルを誇る国々を苦手にしてきた。
ブラジルW杯でコートジボワールに敗れた長友佑都は、対峙したFWサロモン・カルーとのフィジカルコンタクトで、相手の「筋肉が痛い」と評していた。
あれから12年が経過し、日本のフィジカルがどこまで成長したのか1対1のマッチアップを楽しみにしていたのだが、期待はあっけなく打ち砕かれた。
このガーナ戦のスタメンでカタール行きが確実と思われるのは、右SB山根、CB吉田麻也、ボランチ遠藤航、右FW堂安律、左FW三笘薫の5人くらいだろう。
最年長のGK川島永嗣は、10年南ア大会のGK川口能活のような“チームのまとめ役”を期待されてのメンバー入りもあるかもしれない。
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