退場になった選手が登場も……ファンが仰天した“まさかのヒーローインタビュー”3選
勝利を呼ぶ“激走”
サヨナラエラーという幕切れの結果、エラーを誘発した選手がヒーローに選ばれたのが、2015年4月19日のヤクルト対DeNA戦である。8対8の延長12回裏、ヤクルトは先頭の武内晋一が左越え二塁打のあと、送りバントと内野ゴロで2死三塁と一打サヨナラのチャンス。
無得点に終われば時間切れ引き分けという場面で、次打者・上田剛史は強い当たりの三ゴロ。これでゲームセットと思われたが、飛雄馬が打球をグラブに当てて弾いてしまう。慌てて拾い直して、一塁に送球するも、上田の足が一瞬早くセーフ。5時間20分の大激戦は、思わぬ形で決着となった。
勝利を呼ぶ“激走”が認められ、お立ち台に呼ばれた上田は「エラーですけど、僕がヒーローですか?」と照れくさそうな笑みを浮かべた。
ただし、上田は途中出場の8回にも同点タイムリーを放っており、けっしてエラーだけの評価ではなかった。この日まで19試合中15試合が途中出場ながら、「途中出場でも仕事はある。チームに貢献して少しずつアピールして、レギュラーを獲る」の意気込みが、一か八かの場面で実を結んだ。
同年のヤクルトは、川端慎吾が首位打者、山田哲人が本塁打王、盗塁王、最高出塁率の三冠、畠山和洋が最多打点と打撃部門のタイトルを独占する快挙で14年ぶりのリーグ優勝を実現した。上田は、出場82試合で打率.263、1本塁打、19打点、8盗塁と地味ながら要所で貢献。まさに「優勝の陰に名脇役あり!」だった。
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