元公安警察官が語る「日本赤軍」極秘捜査 7人の国際指名手配犯は今どこにいるのか

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アフリカ某国に現れた奥平純三

 すると、ある日、空港の関係者から日本人の偽造パスポートを使って入国したアジア系の女性がいると連絡が入った。

「日本大使館から空港まで80キロありましたが、車を飛ばして駆けつけました。日本赤軍のメンバーではないかと色めき立ちました」

 だが、問題の女性は中国人だった。

「中国人女性が持っていたパスポートは、兵庫県に住む日本人女性のパスポートを盗んで偽造したものでした。結局、中国人女性は国外退去となりました。偽造パスポートはかなり精巧なもので、専門的な知識のある中国人組織によって作られたもののようでした」

 結局、勝丸氏は国際手配中の赤軍メンバーと接触はできなかった。

「ですが、逃亡犯の一人である奥平はアフリカのある国に滞在したことが分かりました。1996年のことです。その国には共産主義の過激派組織があり、そこに奥平が接触していたのです。日本赤軍は世界共産主義革命を標榜しています。そのため、同志を探して世界各国をあちこち回っているのですが、アフリカにも来ていたのです」

 この他、坂東国男は、中国、ネパール、オーストリア、ルーマニアに入国した形跡があるという。大道寺あや子は1999年、香港で松田久とともに重信と会っていたことが確認されている。

「佐々木規夫は1998年、奥平と日本に入国していたことが分かっている。現在、7人の逃亡犯はレバノンかパレスチナに居ると見られています。各国の日本大使館にいる警察出身の外交官が今も7人に関する情報収集をしています。重信がそうであったように、日本に潜伏している可能性も否定できません」

 なお、5月30日、岡本はレバノンの首都ベイルートで開催されたロッド空港乱射事件の50周年を記念する集会に参加したと報じられた。

 重信は逮捕後の2001年4月、日本赤軍の解散を宣言している。今後、再結成の可能性はあるのか。

「彼女は高齢で病気なので再結成の意志はないようですが、周りに熱心な支持者がいて夢を捨てきれず、再結成を望んでいる者もいます」

勝丸円覚
1990年代半ばに警視庁に入庁。2000年代初めに公安に配属されてから公安・外事畑を歩む。数年間外国の日本大使館にも勤務した経験を持ち数年前に退職。現在はセキュリティコンサルタントとして国内外で活躍中。「元公安警察 勝丸事務所のHP」https://katsumaru-office.tokyo/

デイリー新潮編集部

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