元公安警察官が語る「日本赤軍」極秘捜査 7人の国際指名手配犯は今どこにいるのか

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空港や税関職員を接待

 ハーグ事件をきっかけとして、警察庁は在外公館に警備担当者を派遣するようになったという。彼らには赴任先の大使館で、赤軍メンバーの動向をチェックする任務もあった。

「私も具体的には申し上げられませんが、アフリカのある国の日本大使館に派遣されました。そこで、逃亡中の日本赤軍の7人に関する情報を集めていました」

 逃亡中の7人を改めて説明しよう。1972年にイスラエルのロッド空港乱射事件を起こした岡本公三(74)、ハーグ事件に加わった奥平純三(73)、1977年のダッカ日航機ハイジャック事件に関与した佐々木規夫(73)、重信の元側近で、1971年に横浜銀行の銀行強盗の実行犯だった松田久(73)、1974年の三菱重工爆破事件に関与した大道寺あや子(73)、元連合赤軍で1972年にあさま山荘事件を起こした坂東国男(75)、ダッカ日航機ハイジャック事件で釈放されて日本赤軍に参加した仁平映(76)である。

「7人はICPO(国際刑事警察機構)によって国際手配されています。国際手配には、身柄を拘束する赤手配と潜伏先などの情報を提供してくれる青手配があります。7人は赤手配です。もっともICPOから赤手配されても、各国の警察が実際に動いてくれることはまずありません」

 そのため勝丸氏は、独自に現地の空港職員や税関職員に、偽造パスポートを使って入国したアジア系の人間がいれば連絡してもらうように頼んでいたという。

「もちろん、ただお願いするだけでは手間がかかるので連絡はもらえません。私は何とか協力を得るために、日頃から外交機密費を使って彼らを接待していました」

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