30年以内での発生確率は70% 「首都直下地震」に備える最新サバイバルグッズ
10年ぶりに更新された首都直下地震の被害シナリオ
5月25日、東京都の防災会議が「首都直下地震」等が起きた場合の、都の「被害想定」を発表した。東京都の被害想定が更新されるのは、実に10年ぶりのことである。
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11年前の「東日本大震災」での死者・行方不明者・震災関連死者の合計は、2万2207人にのぼった。27年前の「阪神・淡路大震災」では6434人の犠牲者が出た。
今回発表されたシナリオで、最も被害が出ると想定されたのは「都心南部直下地震」だ。
死者6148人 負傷者9万3千人 建物被害19万4千棟 の被害予測も
「都心南部直下地震」とは、その名の通り、都心の南部を震源とする地震で、予想されるマグニチュードは7.3。
空気が乾燥しているうえに、火を使う器具の利用が多く見込まれる冬の夕方に、風速8m/秒の天候条件で発生した場合には、死者は6148人、負傷者は約9万3千人、避難者は約299万人、帰宅困難者が約453万人出ると試算されている。
また、被害を受ける建物も、約19万4千棟にのぼるという予測だ。発生時に運よく命を守ることができたとしても、その後には過酷なサバイバル生活が待ち受けている。
生活インフラが崩壊した状況でも生き延びていくための備え
東京都が改定したシナリオによると、発災後1週間が経っても、集合住宅などではトイレは使用不可のまま。電力の回復も供給不足により当分は厳しいという。
そんな状況を乗り越えるために、個人でできることはあるだろうか。最新技術を使った防災グッズをご紹介する。
まずは、命をつなぐために大切な飲料水。
米国のPuralytics社が開発した「ソーラーバッグ」は、雨水、風呂の水などを入れて太陽光を数時間当てることで、有害物質やウイルスを光触媒の働きにより除去できるという触れ込みのアイテム。
未使用なら7年間保管できるうえ、繰り返し100回以上使えるという。
記者も実際に購入してみた。とりあえず試しに水道水を入れて、説明書通り3時間待ってみると、カルキ臭が抜けた軽い飲み口になったような気が……。
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