フジテレビ新社長は「いいとも」を生んだ敏腕プロデューサー なぜ70歳で関連会社から出戻り?
フジテレビの社長人事が話題だ。今月28日の株主総会・取締役会で金光修社長(67)が任期途中で退任し、後任に3歳年上で共同テレビジョンの社長を務める港浩一氏(70)が就任する。お台場で何が起きているのか。
【写真3枚】港氏の「出戻り」の背景にいる“フジテレビの天皇”とは
「金光社長は2021年度の決算で、前年度より100億円以上の増収を達成するなど、一定の業績を上げてきた。社長の任期は1期2年と短く、就任から1年での交代は異例ですね」
とは、フジテレビ幹部。
「一方の港さんは、フジの常務だった13年にバラエティー番組におけるヤラセ演出が発覚して減俸処分を受け、番組は打ち切りに。そもそも共同テレビはフジの関連会社の一つに過ぎず、その社長の座は出世争いから脱落した幹部が片道切符で就任する、“一丁上がり”のポストなんですけど」
サラリーマンとしては終わったはずだが、テレビマンとしての経歴は華々しい。
「フジテレビが視聴率も売り上げもTBSや日テレに次ぐ3番手だった1976年の入社です。その後、フジは80年代に入ると“楽しくなければテレビじゃない”というキャッチフレーズを掲げて多くのバラエティー番組をヒットさせた。その立役者が彼なんです」
「体の芯までフジテレビの体質」
タモリ(76)が30年以上もMCを務めたかつての看板番組「笑っていいとも!」をはじめ、大人数を擁するアイドルグループの先駆けともいうべき、おニャン子クラブが輩出した「夕やけニャンニャン」、漫才ブームを背景にビートたけし(75)、明石家さんま(66)、片岡鶴太郎(67)らが笑いのセンスを競った「オレたちひょうきん族」、女子大生ブームの火付け役となった「オールナイトフジ」など、誰もが知る人気番組がそれに当たる。結果、フジは視聴率競争で民放トップの座に。
かくして港氏は“敏腕プロデューサー”の異名をほしいままにした。芸能人の中では、とくにお笑いコンビ・とんねるずの石橋貴明(60)と木梨憲武(60)の二人と親しく付き合った。
「プロデューサーを務めた『とんねるずのみなさんのおかげです』と、その後継番組『とんねるずのみなさんのおかげでした』は、それぞれ最高視聴率が29.5%、24.8%と未曾有の数字を叩き出した。番組では木梨が港氏を模した〈小港さん〉というキャラで登場したことがあったほど」
当時は“社長候補の最右翼”と目されたものの、勢いにかまけて番組制作では大小の不祥事も散見された。
「それも含めて、良くも悪くも体の芯までフジテレビの体質が染みついた人」
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