選挙対策が裏目の「日歯連」 骨太方針に「国民皆歯科健診」をねじ込んで批判殺到

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会員へのアピール

「この記事を読むとたしかに歯科健診を強制されると思ってしまう人も多いと思いますが、実は、そうではないんですよ」

 とは、さる永田町関係者。どういうことか。

「日本では歯科健診といえば、高校までは毎年の健康診断で受けていたと思いますが、大学や、会社で行われる年一回の健康診断ではなくなりますよね。歯が気になる人は、自分で歯医者さんの門を叩かないといけない。でも、痛くもないのに歯医者さんに行く人はそう多くはなく、自覚症状のないうちに、歯周病になっているというケースが多いのです。それを予防するため、健康診断を実施している会社や自治体に対して、歯科健診もそこに組み込んでくださいね、ということなのです。義務付けられるのは国民ではなく、あくまで実施する側の方ということ」

2度の逮捕劇

 歯科健診を怠ったら罰せられることはなさそうでひとまず安心。だが、

「産経の記事のネタ元は、まさに批判を受けている日歯連だと言われています。というのも、今年の夏に行われる参院選で、連盟が推す山田宏氏が改選を迎えるから。選挙を前に、連盟も山田氏も、『全国の歯医者さんのためにこんなに頑張ってますよ』と、会員にアピールする狙いがあった、と考えられているのです」

 ところが、伝言ゲームの途中で、行き違いが生じてしまったという次第。

「連盟幹部も山田氏も、一人歩きしてしまった義務化の話を修正すべく必死にアピールしているようですが、歯科医師会会員の、山田氏への支持はなかなか集まっておらず、苦戦を強いられているようです」

 日歯連といえば、2004年に政治家への贈賄で当時の会長が逮捕され、さらに2015年にも組織内候補者への迂回献金問題で会長ら3人が逮捕された、“札付き”の団体として名を馳せていたが、

「そうした経験を踏まえ、歯科医でもなんでもない山田氏を組織内候補者に据え、改革をアピールしたいのでしょう。実際、歯科医や、医療関係者以外の組織内候補者は山田氏のみ。。ちなみに、山田氏が杉並区長だった時代に、杉並区歯科医師会長だったのが、日歯連の高橋英登会長です。山田氏本人も団体も、選挙を前に、やる気が空回りしてしまったのかもしれません」

 歯がゆい思いをしているに違いない。

デイリー新潮編集部

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