首都直下地震が起これば「死者6100人」で済むのか検証 専門家は「ケタが二つ足りない」

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 首都直下地震で死者6100人――そんな見出しが付いた新聞1面の記事を見て、思わずわが目を疑った向きも少なくなかったのではなかろうか。マルが一つ、いや二つ違うのでは、と。日本の重大危機に関してもなお、なぜ東京都は誤ったメッセージを発するのか。

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「天災は忘れたころにやってくる」の至言で知られる寺田寅彦は、関東大震災が起きた翌年に著書の中でこう述べている。

〈文明が進むほど天災による損害の程度も累進する傾向があるという事実を充分に自覚して、そして平生からそれに対する防禦策を講じなければならないはずであるのに、それがいっこうにできていないのはどういうわけであるか〉
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