インドネシアで逮捕の“10億円詐欺”谷口容疑者 親密だった「地元教師」は何者?大統領に繋がる人脈も
コロナの持続化給付金を不正に受給した容疑で指名手配され、インドネシアに逃亡していた谷口光弘容疑者(47)が、6月8日に現地警察と入国管理局に逮捕された。容疑は「不法滞在」である。
家族ぐるみで約10億円の不正受給を受けていた谷口容疑者は、元妻と2人の息子が次々と日本国内で逮捕される中、2020年10月にインドネシアに向けて日本を出国、以後同国内に滞在していた。
会見した国家警察のテディ・プラスディヨ広報官は、谷口容疑者が「スマトラ島南部ランプン州カリルジョ郡にある地元教師の自宅に滞在しているところを逮捕した」と述べた。
会見には谷口容疑者も同席し、会見者の脇に壁に向かって立っていた。インドネシアでは、こうした形で容疑者を同席させることは珍しくなく、写真撮影は自由、時には報道陣と質疑応答することも容認されている。
今回も、日本から駆け付けた報道陣から「一言お願いします」「受給は違法との認識があったのか」などの質問が飛んだが、谷口容疑者は一切答えることなく会見場を後にした。
地元教師に漁業投資家として接近
逃亡した当時、インドネシアでは感染拡大防止策として入国制限が実施され、一般観光客は入国できなかった。これまでの現地報道などによると、谷口容疑者は商用(ビジネス)ビザを東京のインドネシア大使館で取得し、入国したといわれている。
一般的に、商用ビザ取得にはインドネシアの保証人ないし受け入れ企業の同意が必要である。谷口容疑者には協力者がインドネシア国内にいたことになる。
ただ、それが例の「地元教師」ではないようだ。インドネシア入国後、谷口容疑者はまず国内便でスマトラ島北部の西スマトラ州の州都パダンへ飛び、しばらく滞在していたことがわかっている。国家警察などによると、谷口容疑者はそこで魚類を販売していたマスデゥキ氏に漁業投資家として近づき親交を温めた。マスデゥキ氏の本職が教師だった。
マスデゥキ氏のランプン州の自宅に出入りするようになった谷口容疑者は、氏の自宅には「1週間に1度か2週間に1度程度の頻度で訪れて泊まって行った」(国家警察)。こことは別の滞在先があり、そこから仕事の話がある時に氏の自宅に赴いていたとみられている。その潜伏先に関しては今のところ不明だ。別のインドネシア人支援者、あるいは親しい女性がいた可能性があるとみられている。
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