パワハラは認定されず「愛媛農業アイドル自殺訴訟」で原告の遺族が敗訴 「誹謗中傷に苦しんだ3年半」を事務所社長が告白
全日制進学に反対していた母親
佐々木氏が振り返る。
「私はその日は体調が悪く自宅にいたため、Aに12万円の入った封筒を渡していました。Aも萌景さんに反省を促すために、彼女の判断で、一旦貸し付けを保留しただけです。後でAから報告を受けた私は、萌景さんも十分反省しただろうと考え、当日の午後11時頃、『これからお金を届けに行く』と電話で伝えました。すると、彼女は突然、『お母さんと話し合って、進学しないことに決めました』と言い出したのです」
家に帰った後で、母親、萌景さん、恋人の3人で話合いが持たれていた。その結果、萌景さんは進学をあきらめてしまったのだ。
母親はずっと全日制高校への進学に反対の立場だった。原告側の尋問でもはっきりこう答えている。
原告代理人 それ(通信制高校を退学し、全日制高校に再入学すること)を聞いて、あなたはどう思いましたか。
母親 急に何を言っているんだろうって思いました。
原告代理人 どうして反対しましたか?
母親 (他の同級生より)学年1つ下で、それでアイドルといういじめの原因になる要素をたくさん抱えた状態で全日制に行くっていうことはちょっと私からすると、もう中学校のときにすごくいじめられて泣いて暴れて、そんな彼女を見てきていたから、そういうふうな環境に行かすことはちょっと私の中でも躊躇するところがあって反対しました。
原告代理人 アイドル活動と学校の両立についてはどう考えましたか。
母親 絶対に無理っていうふうに私は思っていました。通信でも行けてないのに、全日なんかは絶対無理だって思ってました。
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