神戸山口「井上組長」本宅銃撃 このタイミングの理由、井上組長の胸のうちと求心力低下の“不穏”

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本人が狙われる可能性は?

 6代目山口組が分裂し、今年の8月で7年が経過する。

「6代目と神戸の抗争はすでに勝負がついていると捉えて良いと思います。勝負あり、となったタイミングを強いて言うなら、2020年7月に最高顧問を務めていた池田孝志組長率いる池田組が脱退し、独立組織となったあたりでしょうか。その後も襲撃や銃撃が収まっていませんが、それは抗争終結を見越して、実績を積み上げておきたい、積み上げておかなければならないと考えている組織が6代目側にそれなりにあるということだと見ています」(同)

 6代目側としては「井上組長の引退」まで抗争の手を緩めることはないというのが衆目の一致するところだ。

「井上組長本人を狙うのはハードルが高いので可能性は極めて低いと思います。部隊を編成し、綿密な行動計画を立てなければならないですし、実行犯には無期に近い懲役が待っています。車両特攻であれ自宅銃撃であれ上部組織から評価されることは間違いありませんから、そうやってポイントを重ねているのでしょう」(同)

求心力の低下

 竹垣氏はここ最近、何度か井上組長と電話で話すなど、やり取りを重ねてきた。その心のうちを斟酌してもらうと、

「ついに来たかという思いでいるのかもしれませんが、ここまで来たらとことんやる、というハラでしょうね。この程度の脅しや抗争で引退を選ぶことはないし、引くに引けないとの思いでいるはずです」(同)

 ただ、少し気になることもあるという。

「神戸山口の直参連中と井上組長が会ったという情報をこのところ耳にしませんね。狙われるだけでカエシ(報復)ができない以上、井上組長の求心力が低下するのも避けられません。そこからの内部崩壊という流れも6代目側の狙いの1つでしょう」(同)

 6代目側のしたたかさばかりが浮き彫りになった本丸銃撃だったと言えるだろうか。

デイリー新潮編集部

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