「勝負師芸人」インスタントジョンソン・じゃい……高額馬券的中からの破産に「税務署ひどすぎる」の声
ハズレ馬券なのに
そもそもなぜ、支払額が破産するまで高額になってしまったのかというと、
「本人がたとえ話として“1億円分馬券を買って1億5000万円当たったのに、差分の5000万円ではなく、1億5000万円に対して課税された”と説明していますが、要は、ハズレ馬券が経費として認められなかったわけなんです。競馬の払戻し金は一時所得とみなされ、特別控除額の50万円を超えていると税金が発生します。例えば200万円分の馬券を買い、100万円当たったとすると、収支はマイナス100万円ですが、払戻し金の100万円から控除分の50万円を差し引いた分、50万円に税金がかかる、というわけです」
なぜハズレ馬券分まで課税の対象になっているのかと言えば、
「ハズレ馬券は競馬場にたくさん捨てられているから、それを集めて経費に計上する人が出てくる恐れがある、というのが、じゃいさんが、税務署員から聞いた話として披露していた理由です。とはいえ、現代はネットで購入する人が大半なわけで、となると馬券の購入履歴もしっかりと残っているわけですし、ハズレ馬券を拾って架空計上する人なんてそんなに多いとは思えない。とても時代に即した制度とは思えません」
二重課税
さらにもうひとつの問題が。
「実は、馬券を購入した時点で、そのうちの10%がすでに国庫納付金として国に納付されているのです。つまり馬券を購入した人は、この時点ですでに納税をしているというわけ。払戻しにまで課税するのは、二重課税ではないか、という声は昔から根強くありますし、じゃいさんも、今後は無税にすべきでは、と訴えていました」
競馬ファンの国税担当記者が言う。
「高額馬券を取っても、税務署がやってきて全部持っていくなら、頑張って予想する気にならない。今回のじゃいさんの件は、国からすると、短期的には税収が増えたかもしれませんが、長い目で見れば、競馬ファンや、他の公営ギャンブルファンの購入意欲を削ぐことになり、全体的な税収減につながると思いますよ。有名人を吊し上げれば見せしめになると思ったんでしょうが、今回の件は完全に悪手だと言わざるを得ないですね。これをきっかけに、法改正が進むことを願ってやみません」
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