“日米安保は不公平”なのか 最深部まで知る「伝説の外交官」が明かす交渉の舞台裏

国際

  • ブックマーク

 在日米軍の駐留経費は、日本とアメリカが分け合う形で負担している。円高になると、アメリカの支払額が多くなってしまうのが実情だ。しかし、本国の事情で追加出費を捻出しにくいという場合がある。

 1986年がそうだった。プラザ合意による円高の急激な進行によって、労務費だけで300億円以上の追加出費が必要になったが、折からの経済摩擦もあって、米議会では追加出費どころか、米軍が払っていた全額を日本政府に負担させよとの声が高まっていた。

 日米安全保障条約の運用にあたる当事者たちは難局にどのように対応したのか。...

つづきを読む