「知床遊覧船」“黒幕”コンサルタントの正体 経費節減をアドバイスか

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年間200万円

 オホーツク海では高い操船技術が求められる。慣れぬスタッフが運航業務を行った点は、事故の一因と指摘されている。それも元を正せば、小山氏の教えが影響していたということになる。

「桂田社長は小山氏に“相談料”として年間200万円を支払っていました。また、小山氏の考えが色濃く反映された『経営計画書』を社員に配ったりもしています。年に1回、その冊子に書かれた経営理念の項目を唱えるイベントまであり、まるで宗教みたいでした」(前出・関係者)

「計画書」には以下のようなくだりも。

〈天気の悪いと予想される日は(KAZU)I 45人 III 35人までとする〉

 悪天候でも出航が義務付けられていたのだ。

 株式会社リスク・ヘッジの取締役でシニアコンサルタントの田中辰巳氏は、一部のコンサルの悪弊についてこう指摘する。

「功を焦って人件費のカットで利益を確保するような、短期的な視座に立ったアドバイスに走りがちです」

 当の小山氏は直撃取材には逃げるばかりで、代わりに書面で以下の回答があった。

〈「経費削減のアドバイス」自体はしておりません〉

 しかし、先の関係者は、

「天候不良でも船を出させるなど桂田社長のずさんな経営や管理体制は、小山氏の影響によるところが大きい」

 強欲社長が引き起こした事故と無関係とはいえまい。

週刊新潮 2022年6月9日号掲載

ワイド特集「そのニュースには『裏』がある」より

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