「慰安婦証言」はなぜ二転三転? 「慰安婦は売春婦の一種」発言で訴追された韓国人元教授が検証
韓国国民が知らない真実
結局、朝日新聞は2014年8月5日、吉田の証言が捏造であることを明らかにして認め、16の関連記事を取り消すと発表した。朝日新聞社長は謝罪し、編集局長は更迭された。さらに2017年には吉田清治の長男が、すでに故人となった父親の過ちについて語った本も出版された。
西岡は慰安婦問題をめぐり朝日新聞と戦ってきた過程をまとめ、2007年6月、『よくわかる慰安婦問題』という本を日本で出版した。吉田の虚偽証言が本として出てからほぼ四半世紀後だ。韓国では全く知られていなかった西岡の本は、ついに2021年に韓国語に翻訳、出版された。青色の表紙を持つ翻訳本は、「韓国政府とマスコミが言わない慰安婦問題の真実」という挑発的なタイトルをつけている。また、緑色の表紙が使われた別巻『資料集』は、この問題と関連した日本側の主要文献資料をすべて韓国語でまとめて盛り込んである。
日本と韓国の左派言論界と活動家たちが連帯して慰安婦問題を歪曲している現実を、韓国国民は果たしてどれほど知っているだろうか。しかも、このような事実を少しでも明らかにすれば、むしろ「日本極右の手先」という非難を甘受しなければならないのが昨今の現実だ。
「反日種族主義」が終わる日を信じて
この暗鬱(うつ)な現実の前で筆者は、「No Japan」スローガンを掲げた韓国反日左派の首領・文在寅大統領の反日扇動が絶頂に達した時、「歴史の真実」を講義室で語る途方もない「罪」を犯したわけだ。文字通り彼らの逆鱗に触れ、その結果は検察による起訴だった。刑事法廷で「虚偽事実で慰安婦の名誉を毀損した責任」を負えという公権力を相手に、「私の講義は虚偽事実ではなく、たとえ虚偽事実であっても学問の自由で保護されなければならない」と主張し争っている。
この状況が楽しいはずがない。しかし、いつかは『赤い水曜日』というもう一つの踏み台を通じて、『私の戦争犯罪』が積み重ねた偽りの山が崩れ、ついに「慰安婦問題の真実」が明らかになり、幽霊のように韓国社会を取り巻いている「反日種族主義」が粉々になる日が来ると確信する。結局は真実が勝つからだ。
あの事件が起こってからもう2年半の歳月が流れた。しかし、歳月がもたらした恩恵もなくはない。もし今、筆者が再び発展社会学の講義を行うなら、今や学生たちに読んでもらえる良いテキストが多くなったことがありがたいし嬉しいと言えるようになったからだ。
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