「慰安婦証言」はなぜ二転三転? 「慰安婦は売春婦の一種」発言で訴追された韓国人元教授が検証

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「吉田清治は職業的詐話師」という指摘を無視

 1996年1月、ついに国連人権委員会が「強制連行」と「性奴隷」説を認定する通称「クマラスワミ報告」を採択した。日本の韓国植民統治に関する歴史はもちろん、現地語も全く知らないスリランカ出身の法律家、ラディカ・クマラスワミが、日本と韓国で吉田を支持するグループ、特に韓国の挺対協の協力を得て、全世界に散らばっている慰安婦の証言を集め、「被害者中心主義」の原則を掲げて報告書を書いた。

 だが、彼女の報告書は、ヒックスの本に一方的に依存したものだった。当時は英語の慰安婦文献がそれしかなかった。そのヒックスの本は主として吉田の証言に頼ったものだ。したがって「クマラスワミ報告」は結局、吉田の証言を二番煎じした文書にすぎない。

 この報告書が出される過程には、次の問題もあった。先に指摘したように、現地語、すなわち韓国語と日本語が分からず原史料を全く読めなかったクマラスワミは、報告書の作成過程で日本の慰安婦問題専門家の二人と面談した。秦郁彦及び吉見義明だ。秦は面談で次のような三つの核心内容を伝えたという。

(1)慰安婦「強制連行」に関する日本側の唯一の証人である吉田清治は「職業的詐話師」だ。

(2)暴力的に連行されたという慰安婦証言の中で客観的な証拠として裏付けが取れた例はない。

(3)慰安婦の雇用関係は日本軍との間にではなく、慰安所経営業者との間で結ばれた。

 ところがクマラスワミ報告書は、このような指摘を完全に歪曲した。これを正すため、秦は「文藝春秋」1996年5月号に「歪められた私の論旨」という論文を発表したが、すでに矢は放たれた後だった。

吉田の証言が完全なうそであることが明らかに

 マスコミの注目を集めることはできなかったが、「慰安婦問題の真実」を探る努力は少しずつ進展していた。

 1989年8月14日、韓国の「済州新聞」は、吉田が強制連行したという済州道・城山浦のボタン工場を訪れ、高齢住民の証言を確認した結果、「そのようなことを全く知らない」という証言を記事にした。「住民が捏造だと指摘、日本の恥知らずの商法に憤慨」という見出しをつけた記事である。しかし、同記事は反日感情に埋もれてあまり注目されなかった。

 日本でも同じ疑いを持った人たちが現れ始めた。1980年代前半に在韓日本大使館で専門調査員を務めた西岡力が代表的人物だ。彼は韓国語を流暢に駆使し、日本人拉致被害者問題を暴く親韓派ジャーナリストであり学者だ。彼も当時を生きた人々の経験が吉田の証言と一致しない点に注目した。

 西岡の執拗な問題提起に支えられ、日本ではついに2014年4月、真実究明のための独自調査団を済州島に派遣することになった。彼らの確認を経て吉田の証言は「最初から最後まで完全なうそ」であることが満天下に明らかになった。

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