“余命わずかの不倫相手を看取りたい――” 夫の願いを知った妻が書いた「彼女宛の手紙」の中身
連城三紀彦氏の小説に、直木賞を受賞した「恋文」がある。余命いくばくもない独身時代の恋人の最期を看取るため、妻に離婚を迫る夫と、その夫を愛しているがゆえに拒否する妻。かつての恋人は実際には何もかも知っており、3人が葛藤しながら時間だけが進んでいく、せつない大人の愛を描いた物語だ。【亀山早苗/フリーライター】
岡元憲司さん(47歳・仮名=以下同)の経験のあらましを聞いたとき、まさに小説のようだと感じた。本人にそう言うと、そうなんですよねとうなずいた。...