まだ家を出ていない人へ――― 「服装のアドバイス」を毎日発信、芸人・コットン西村の“衣装予報”に込めた熱い思い

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僕のことなんか忘れていい

 生半可な気持ちで“衣装予報”をしているわけではないと、西村さんは胸を張る。

「最近は、街の景色も違って見えるようになりました。たとえば、タンクトップ姿でさぶいぼが出てる人を見たら、『僕のツイート見てたら、寒い思いしなくて済んだのに』って思うんです。強制する気はもちろん無くて、不思議と慈悲深い気持ちになるというのが近いですかね」

“全東京人の服装の保護者になりたい”という壮大な思いも口にする。

「服装を間違って、寒がったり暑がったりしてる人が減って欲しいだけなんです。“衣装予報”を参考にしてくれる人には、家から2、3歩出れば、もう僕のことなんか忘れて仕事や学校に行ってほしい。それで夜帰ってくるときに、『あれ今日の服装、しっくりきて快適だったな』って、またちょっと僕のことを思い出してくれる。そうなれば嬉しいですよね」

元アナウンサー芸人という肩書

 今では“衣装予報士”として知られる西村さんだが、元アナウンサーという異色の経歴を持つ芸人でもある。

「芸人になる前、3年間広島ホームテレビでアナウンサーをしていたので、それこそ天気予報の原稿とかも読んでたんですよ。正直、芸人を始めたばっかりの頃は、“元アナウンサー”って肩書がしっくり来ない時期もあったんです。思いっきりふざけてても、お客さんに『こいつ1回アナウンサーやってる奴やな』って思われると、なんか違うじゃないですか」

 昨年は「しくじり先生 俺みたいになるな!!」(テレビ朝日)の出演を機に、コンビ名をラフレクランからコットンに改名したという転機があった。そうした中、今年は芸歴10年目という区切りの年でもある。

「芸歴10年目を迎えて、最近は元アナウンサーだということも自分の中で肯定的に捉えられるようになってきたんです。“衣装予報”でみんなが知りたい情報を正確に伝えるというのも、アナウンサーの仕事に通じるものがある。僕が発信する情報を頼りにしてくれる人が多いというのも、ただの芸人ではなく“元アナウンサー芸人”だからこそだとも思います。今の僕は、ちょうどハイブリッドに出来るようになって、ガソリンでも電気でも走れる車みたいな感じです!」

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