まだ家を出ていない人へ――― 「服装のアドバイス」を毎日発信、芸人・コットン西村の“衣装予報”に込めた熱い思い

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最高気温と“夜の気温”

 想定しているのは、主に東京在住のフォロワー。出かける前に参考に出来るようにと、毎朝7時30分頃に“衣装予報”をツイートしている。その準備は、7時頃から始まる。

「まず、お天気アプリを4、5個見て、気温と天気をチェックします。アプリによって予想気温が結構違って、例えば、ウェザーニュースは高め、Yahoo!天気は真ん中くらい、iPhoneに元から入っているアプリは低めに出る傾向があるんで、1つのアプリじゃだめなんです。気温が2、3℃違えば羽織1枚分違いますから、それぞれのアプリの平均値を出してます」

 最高気温1つとっても並々ならぬこだわりがあったのだ。

「もう1つこだわっているのは、夜の気温を出すところです。天気予報の最低気温は、深夜の気温が多いですが、それよりも役に立つのは、帰宅時間の夕方6時とか7時の気温じゃないですか。だから、最高気温と併せて夜の気温を確認するようにしています」

 お天気アプリだけでなく、肌感覚も“衣装予報”には重要だという。

「天気予報をチェックした後は、必ず半袖Tシャツ姿でマンションのベランダに出ます。たとえば、同じ25℃でも雨と晴れでは感じ方が違うので、自分の肌で感じることが大切。半袖Tシャツという1つの基準を作ることで、昨日との違いを感じつつ、『ここから何枚着ればちょうど良いのか』を考えることが出来るんです。ただ僕は暑がりなので、そこも考慮しなければいけません」

140文字に込めたこだわり

 ここに来てやっとツイートの文章を考える作業に移る。

「【まだ家を出ていない人へ】で結構文字を使っちゃうんですけど、続く天気のことは僕の専門じゃないので出来るだけ簡略に。今の時期だと、急に暑くなったり寒くなったりすることも多いので、※を付けて『昨日とは打って変わって暑いです』とか『昨日までの暑さ一旦忘れてください』みたいに注意書きを付けています」

 続いて服装のアドバイスに入る。

「たとえば、半袖に羽織ものがちょうど良い気温の日だとして、同じ羽織でもより快適なのは、『薄手のカーディガン』なのか『長袖シャツ』なのか。また、その人が暑がりか寒がりかによっても違ってくるから、出来る限り詳細な表現にしています」

 微妙な表現の違いに気づいてくれる芸人もいる。

「ジップパーカなどの上着が必要と書いた時、しずるの村上純さんが引用リツイートで〈これね、“ジップ”パーカーがポイントだからね〉って書いてくれたんですけど、本当にそうなんですよ。昼間はパーカーを着るほどじゃない人もいそうだから、脱ぎ着しやすいジップアップパーカーがちょうどいい。そういうところまで全部考えて、こだわって書いてるんです」

〈僕を信じてください〉で締めくくられる“衣装予報”には、こんな心遣いが込められていたのだ。

「ここ最近、特に注意して書いてるのは『冷房対策』の部分ですね。本格的に暑くなる前の今時期って、お店の人も感覚が掴めなくて冷房の温度下げ過ぎてることが多い。しっかり暑くなると冷房の調整にも慣れてその心配も減りますけど、微妙な時期だからこそ羽織があった方が安心です」

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