「フィンランド」「スウェーデン」のNATO加盟に反対するトルコ 背後にロシア諜報機関

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スウェーデンに10万人のクルド人

 クルド人は独自の国家を持たない世界最大の民族で、その数は3000万人とも5000万人とも言われている。トルコ、イラク、イラン、シリアに散在しているが、フィンランドは約1万5000人、スウェーデンは約10万人のクルド人難民を受け入れている。

「PKKの主要メンバー33人は、フィンランドとスウェーデンにいるのです。トルコは、テロリストを匿っている両国がNATOに加盟するのは許さないという立場を取っています」

 トルコは2017年、PKKの主要メンバーの送還をフィンランドとスウェーデンに要求したが、いずれも拒否された。

「実はロシアも裏で、2つの国がNATOに加盟することを妨害しています。SVR(ロシア対外情報庁)が中心となって、トルコの諜報機関に全面協力しています。トルコのエルドアン大統領に2国のNATO加盟反対を最後まで貫くように働きかけています」

 トルコにとってロシアのSVRは非常に有難い存在だという。

「SVRはフィンランドやスウェーデンはもちろん、ヨーロッパ各国に難民として滞在しているクルド人テロリストのあぶり出しを行っています。そしてテロリストと思しきクルド人の居場所をつかむと、トルコの情報機関に伝えているのです。PKKを殲滅しなければならないと考えているトルコにしてみれば、ロシアが提供してくれる情報は大変貴重です。ですからロシアと共にフィンランドとスウェーデンのNATO加盟に反対するのはある意味、当然の流れと言えます」

 プーチン大統領は、トルコ訪問に向け準備を進めている。実現すれば、ウクライナ侵攻以降、初めての外遊となる。ロシアにとってもトルコはそれだけ重要ということだろう。

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