「フィンランド」「スウェーデン」のNATO加盟に反対するトルコ 背後にロシア諜報機関
日本の公安警察は、アメリカのCIA(中央情報局)やFBI(連邦捜査局)のように華々しくドラマや映画に登場することもなく、その諜報活動は一般にはほとんど知られていない。警視庁に入庁以後、公安畑を十数年歩き、数年前に退職。昨年9月に『警視庁公安部外事課』(光文社)を出版した勝丸円覚氏に、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟の裏でトルコを支援するロシアについて聞いた。
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5月18日、フィンランドとスウェーデンはNATO(北大西洋条約機構)への加盟を正式に申請した。両国のNATO大使が、ベルギーの首都ブリュッセルにあるNATO本部に赴き、ストルテンベルグ事務総長に加盟申請書を手渡したのだ。
中立化を貫くフィンランドとスウェーデンがNATOに加盟するのは、言うまでもなくロシアのウクライナ侵攻がきっかけだった。
「この2つの国がNATOに加盟するには、加盟国30カ国の承認が必要です。現在、トルコがその最大の障壁となっています」
と解説するのは、勝丸氏。かつて公安部外事1課に所属していた同氏は、ロシアを担当していた。
「トルコは1984年以降、トルコ南東部を中心に活動するクルド人が国家の独立を目指して作った反政府武装組織『クルド労働者党(PKK)』からテロ攻撃を受けています。これに対してトルコ政府も、PKKの掃討作戦を展開してきました」
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