綾野剛はガーシーの攻撃に耐えられるか 7月期「TBS主演ドラマ」の裏で新たな動きが
「明日、ママがいない」の前例
ドラマ側にとって憂慮すべきことは、1社がCMを流さないという判断を下すと、ほかの3社も追従する可能性があるということ。注目度の高い「日曜劇場」のCMが全てACになってしまったら、視聴者側の違和感は拭えないだろう。
日本テレビ「明日、ママがいない」(2014年)の件がケーススタディとなる。このドラマは最終的に全スポンサーがCMを引き上げた。
まず、児童養護施設を舞台にしたこのドラマが、赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」を運営する慈恵病院(熊本市)から「ドラマとして許される範囲を超えている」と強い抗議を受けた。世間からも批判の声がわき上がった。
慈恵病院側が問題視した理由の1つは芦田愛菜(17)が演じた主人公・キララの渾名だった。キララは赤ちゃんポストに預けられた過去があることから、「ポスト」と呼ばれていた。慈恵病院側は実際に赤ちゃんポストに預けられた子供たちが傷つくことを心配した。
その後、スポンサーが相次いでCMを引き上げた、最後はCMを流すスポンサーがなくなった。CMは企業や商品の名前を浸透させ、イメージを上げるものだから、逆にイメージダウンになっては困るのだ。
ドラマ冒頭のスポンサーの読み上げも一切なくなった。だが、当然ながらスポンサー料はそのまま。やはり契約だからだ。CMを流さないのはスポンサー側の都合なのである。第一、どのドラマもスポンサーは事前に出演陣や内容の説明を局側から受けている。
例外は出演者による収録中、放送中の不祥事。これによって放送が中止になったりすると、スポンサー料は返還される。「ドラマを放送する」という契約の大前提が実行されないからだ。代わりに局側は不祥事を起こした本人に損害賠償を請求する。所属する芸能プロが立て替えることはあるが、代わりに支払うことは決してない。
綾野の「オールドルーキー」への出演は最低でも1年前には決まっていた。その時点でスポンサーも綾野の起用を知らされている。本人も制作陣もスポンサーも放送直前にこんな障壁が待っているとは思わなかっただろう。
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