同調圧力でマスク着用を続ける日本人 高齢者にリスクとの指摘も…酸素濃度の低い空気が招く病気とは

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新鮮な空気が吸えない

 マスク着用に副作用がないなら、外すことに慎重になるという選択にも価値があるだろう。ところが現実には、「副作用」は、とうてい無視できるレベルのものではないというのだ。

 新刊『マスクを外す日のために』(幻冬舎新書)が話題の精神科医(老年医学)、和田秀樹氏は、

「コロナは病原性が弱くなって、感染しても上気道炎にしかならず、リスクが低下しています。それなのに誰もが一律でマスクを着用し続ければ、そちらの弊害のほうが大きくなってしまいます」

 と言い、こう説明する。

「マスクをしていると、自分が吐いた空気が吸う空気のなかに混じって、新鮮な空気の割合が減ってしまいます。若者なら、それほど害がないかもしれませんが、酸素不足の空気を吸うことの弊害は、年を取るにつれ大きくなります。酸素が足りないと、心臓がより多くの血液を流して補おうとする結果、血圧が高くなって、動脈硬化も促進されてしまう。だから本当は、高齢者こそマスクを外してほしいのです。せっかく新鮮な空気を吸うために外出しても、マスクのせいで酸素濃度が低く、二酸化炭素濃度が高い空気を吸うことになってしまいます」

人の笑顔を見ることは重要

 弊害はそれだけではない。

「マスクの内側には熱がこもりやすいので、これからの季節、熱中症のリスクが高まります。また、マスクのせいでコミュニケーションの質が低下してしまっています。私は診療時、患者さんにできるだけマスクを外してもらいます。顔の半分が隠れていては、患者さんが本当はなにを考えているのか、判断がつかないからです。さらにメンタルヘルスの観点から言うと、人間は笑うことで免疫力をアップさせ、人の笑顔を見ることも重要です。そうした機会がマスクによって奪われている。相次ぐ芸能人の自殺も、まったく無関係とはいえないでしょう」

アルコールアレルギーの人を無視して消毒

 どう関係があるのか。

「マスクにかぎらず、コロナ禍全体にいえることですが、多くの人の楽しみが奪われてしまっています。自殺した方々がうつ病を患っていたかどうかは知りませんが、うつの場合、人と話せないことで症状が悪化します。特に上島竜兵さんは人とお酒を飲むのが好きだったそうですが、そういう方が一人酒を余儀なくされれば、アルコール依存症になる確率が上がり、うつ病も悪化します。そして、こうした状況をつくっている象徴がマスクなのです」

 われわれはコロナを恐れるあまり、コロナ対策による弊害を無視し、いまなお無視し続けているが、その結果、リスクを避けたくてリスクを抱えるという本末転倒が生じているようだ。和田氏が続ける。

「コロナ対策に関してはマスクにかぎらず、弊害が無視されています。いまどこの店でも公共施設でも、アルコール消毒が強要されます。血液検査のときは、必ず看護師さんに“アルコールにアレルギーはありませんか”と聞かれるのに、いまの世のなかは、アルコールにアレルギーがある人がいることを完全に無視して、問答無用でアルコール消毒をさせています。事故でも起きたらどうするつもりでしょうか。こうしたことが当たり前になっているのは、恐ろしいことです」

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