突如現れた17歳の美少年・市川染五郎 大河出演のきっかけとなった大物脚本家は?

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松竹の思惑は

 染五郎が演じるのは義父の織田信長から謀反を疑われ、21歳という若さで切腹に追いやられた、白鸚演じる徳川家康の嫡男である信康。奇しくも薄幸の若武者役が続く。

「歌舞伎『信康』の上演は26年ぶりで、前回の主演は市川新之助を名乗っていた18歳の市川海老蔵(44)でした。家康役には9年前に死去した海老蔵の父・市川團十郎が充てられるなど、興行主の松竹は“次世代の歌舞伎界を担う期待の星”と目された海老蔵に、並々ならぬ期待を掛けていたものでした」(同)

 海老蔵はいま、歌舞伎座との間にすきま風が吹くとうわさされ、当の松竹と一線を画すような自主興行にばかり励んでいるとされる。

「コロナ禍に苦しむ歌舞伎界はいまも集客に苦労しており、観客を呼べる新世代のスターの登場を待ちわびています。松竹が海老蔵の時より1年早く染五郎を主演に据えたのは、今後は海老蔵に替わって染五郎に力を入れるということを、関係者に知らしめる必要があったからです」(松竹幹部)

 歌舞伎役者が熱い視線を集める理由は、眉目秀麗な顔立ちばかりではない。

週刊新潮 2022年6月2日号掲載

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