4630万円誤送金 「町長が返金すべき」は正しい? 町民は損害賠償請求が可能
苦情が殺到
大部分が返金されたとはいえ、阿武町の損失は田口がデビットカードの決済の支払いに使った分と弁護士費用を合わせれば、800万円は下らない。
「苦情の電話やメールが殺到し、町役場の業務にも支障が出ています」(同)
花田憲彦町長(67)は記者団に、
「職員も(苦情の)対応に疲弊している。でも、自ら起こしたことだから耐えていかないと」
などと、殊勝に語ってみせているが、それだけで住民らの怒りの矛を収めさせることはできまい。
元大阪地検検事の亀井正貴弁護士の話。
「町長や幹部職員には、町の財産を安全に管理する義務がありました。したがって、住民は町に監査請求をして、町長らに対して損害賠償請求をするように申し立てることができます。さらに、町がそれに応じない場合は、町長らに直接、住民訴訟を提起することも可能です」
ならば、町長が取るべき道も自ずと定まる。しかも、
「町長の任期はあと3年ほどあり、支払われる給料は月額70万円を超えます。資力は十分にあります」(阿武町関係者)
男の責めは免れ得ないが、まずは、町長が残金を返しさえすれば、いったんは万事丸く収まるのでは。