巨人は交流戦で厳しいスタート 「菅野」「戸郷」に必要な意識改革とは【柴田勲のセブンアイズ】

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1番・吉川尚、3番・丸が妥当

 岡本和真が29日の日本ハム戦で2回に右翼ポール際に一時は同点となる15号ソロを放った。これが通算150本塁打で634試合目での到達となった。巨人では日本人最速だという。

 25歳10カ月の岡本にとっては通過点だろう。だが、いまの状態は良くない。キチンと打てるようなタイミングで振っていない。本塁打のあとの3打席は快音がなかった。いまの打率が2割2分8厘、打点41はともかく低い。

 相手投手はいくら打率が低くても一発を警戒してまともに勝負してこない。だが、いまはボール球を振り過ぎだ。どんな球にでも手を出して追いかけている。

 ひとつの方策として、どの高さなら振ると決めたらどうか。ひざ元の低めや難しいコースは振らない。高めだけをじっと待つ。こんな我慢も必要だろう。

 ところで原監督は1番・丸佳浩、3番・吉川尚輝を続けている。前回、1番・吉川尚、3番・丸が妥当ではないかと指摘した。これもまた理解できない。得点力が上がったとは思えない。

 吉川尚の1番は彼の長所を伸ばすし、丸の3番は勝負強さからも適所だ。また、吉川尚を生かそうと思ったら2番もありだ。1番にはアダム・ウォーカーだ。ウォーカーは足が遅くない。彼が出塁すれば吉川尚にバントをさせてもいい。いろんな攻撃を仕掛けることができる。こう思うのだが。

 とにかくいまは坂本勇人の復帰待ちということになるか。31日からはソフトバンク、さらにロッテと6連戦だ。東京ドームである。

 31日は新外国人右腕のマット・アンドリース投手が来日初登板初先発するという。

 交流戦は厳しいスタートを切った巨人だが立て直せるのか。注目である。
  (成績は30日現在)

柴田勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会副理事長を務める。

デイリー新潮編集部

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