転職準備は40代で始めないと手遅れ 「70歳定年延長法」が加速させる大リストラ

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50歳を超えると求人が激減

 年齢が上になればなるほど少ないイスを取り合うことになります。ですから、50代60代で転職を希望する人は相当な覚悟で臨む必要があります。いらぬプライドは捨てて、「どんな仕事でもやります!」くらいの謙虚な気持ちで転職活動をする必要があります。

 しかし、それができる人は少ないです。とくに大きな企業でバリバリ働いてきたような人ほどできない。

 たとえば「私はいま55歳ですが、○○という1部上場の企業で部長をしていて、英語が話せます。会計もできます」とくる。だから、転職先でも部長職以上の待遇で、年俸は1千万円は欲しい、というようなことを平気で言うわけです。でも、そんな人を欲しい企業なんてありません。年齢も給料も高い上に、態度もデカい人を欲しがる会社なんてないんです。

 実際、私の会社には千社を超える企業から求人がありますが、50歳を超えた途端に求人は少なくなります。そして、60歳以上を希望する企業はほぼゼロです。

 ちなみに、実際には50代以上の求人がなかったとしても、人材紹介業者がそれをそのまま求職者に伝えたりはしません。企業が求人に年齢制限を設けることは違法なので、表立った年齢差別はできないのです。ですから、人材紹介業者も信用できないことになる。

最低限のビジネススキル、ITスキルは必要

 これが何を意味するかといえば、転職するのであれば、できれば40代のうちに、ということです。

 働き続けるために、何をどう準備すればいいのか。まずはマインドセット(考え方、思考パターン)を切り替えること。45歳までに働き方を変えられるよう早目に準備をすることです。そして、あなたが残りの人生をどう過ごしたいのか、70歳になるまでどう働きたいかを考えるのです。そして逆算して考えていく。

 もし50代以上で転職することになったら悪戦苦闘する以外ありません。自らの過去や経歴を捨てて、なんとか働く場を見つける。シニアが楽しく働ける社会を創るためのパイオニアになるぐらいの気概が必要です。

 必要なことは、最低限のビジネススキル、特にITスキルを身に付けておくことです。といっても難しいことではない。メールやワード、エクセル、パワーポイントぐらいは使いこなせるようにしておきたい。

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