転職準備は40代で始めないと手遅れ 「70歳定年延長法」が加速させる大リストラ

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早期退職が加速

 しかし、この「70歳定年延長」には物申したい。ハッキリ言って愚策です。たとえ国がインセンティブを設けるなどして、企業にハッパをかけたとしても、思い通りにはならないと断言できます。民間企業が率先してシニア層を雇用すると思いますか? 答えはノーでしょう。むしろ状況は逆回転する。その理由は後で詳しく説明しますが、政府が「定年を70歳まで延ばす」という努力目標を掲げることによって、逆に早期退職が加速するのです。「定年延長」は、働き盛りの若い世代が迷惑を被る、「百害あって一利なし」「愚の骨頂」ともいうべき制度なのです。

還暦過ぎのシニアに就職先はなかった

 私は長い間サラリーマンをしていました。新卒で伊藤忠商事に入った後、ソニーに転職して、しばらくアメリカの現地法人で働きました。その後、外資系の企業に転職して、46歳で再びソニーに戻ってからは、子会社の社長なども経験させてもらいました。そして、ソニーを定年で辞めた後、就職を支援する会社を興して、いまも代表取締役社長として働いています。

 実は、会社を立ち上げる前は、「第二の人生もサラリーマンとして働きたい」と考えて就職活動をしたのですが、これが思ったようにはうまくいきませんでした。還暦過ぎのシニアに就職先を紹介してくれる会社などないわけです。「だったら自分で作ってしまえ」というわけで、経営幹部などの人材を紹介する会社を設立したのです。小さな会社ですが、これまでに5千人以上の再就職をお手伝いしてきました。

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