岸田総理、就任後初のロングインタビュー 櫻井よしこが斬り込む「改憲」「核」「中国」
ロシアを批判しない中国
櫻井 中国はロシアを批判せず寄り添う姿勢です。両国は戦略的な協調関係にありますから、日本や欧米など自由を標榜する国々に脅威をもたらすのは避けられません。対中政策をしっかりやらないと、大変なことになりませんか。
岸田 中国は日本周辺でもロシアと軍事行動を共に行うなどの動きがあります。言うべきことは毅然と言うのが基本ですが、我が国とは経済界をはじめ民間レベルでもさまざまな結びつきがあることを考えれば、対話の窓口を常に開いていく必要もあると思います。
櫻井 中国は大国としての責任を果たさないのではないかと、私は心配しています。ロシアと同様に力を信奉する国ですから、日本が毅然と抗議をしても無視します。尖閣諸島では今日も領海に侵入しています。ほぼ毎日、接続水域から領海に侵犯をかける。尖閣問題と台湾問題はリンクしていますから、具体的に「尖閣を守る」姿勢を見せることが大事ではありませんか。自民党の高市早苗政調会長は、島に構造物を作ることを主張していますが、総理はどうお考えですか。
憲法改正は実現するのか
岸田 尖閣が我が国の領土であることをしっかり示す。これは私もまったく同じ認識で、海上保安庁はじめ領海領空をしっかりと守る姿勢を装備や訓練等を通じて示していく。その上で、さらに何が必要なのかはさまざまな意見があると思いますので、基本をしっかりやった上で考えたいと思います。
櫻井 公務員を常駐させるなど、政府としての具体策はないのでしょうか。
岸田 そこまでの検討はしていませんが、毅然とした姿を示すことが大事です。
櫻井 お約束の時間が過ぎてしまいましたが、日本の未来にかかわる重大な課題、憲法改正についてお尋ねします。総理は、自民党に憲法改正実現本部、「実現」という2文字を入れた組織を作りましたが、今後どのぐらいの時間がかかると考えたらいいのでしょう。岸田政権は高支持率で夏の参院選では憲法改正に手が届くところまで大勝するかもしれません。
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