岸田総理、就任後初のロングインタビュー 櫻井よしこが斬り込む「改憲」「核」「中国」

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実は一番危険なのは日本?

櫻井 総理が外遊の最後、英国で「力による一方的現状変更を繰り返してはなりません」とスピーチされた。これは中国を念頭に置いていますか。

岸田 実際、南シナ海、東シナ海においては力による現状変更の試みだと指摘される動きがある。それはその通りだと思います。

櫻井 ウクライナはユーラシア大陸の西で、日本は東の端っこでそれぞれロシアと隣同士という共通点があります。ウクライナと日本を重ねて考えるとおっしゃいましたけれども、私はこの世界地図を見てですね……。ご覧下さいますか。(持参した地図を示し)ここですね。

岸田 はい。

櫻井 地図上で核兵器を持つ国は赤く塗ってあって、ここが日本列島。ユーラシア大陸ではウクライナ情勢が緊迫していますが、この地図を見ると実は一番危険なところに立っているのは日本だと思うのです。

岸田 ロシア、あるいは北朝鮮、また中国と隣接しているわけで、安全保障上、厳しい環境にあることは肝に銘じなければいけない。それはご指摘の通りです。

防衛費の引き上げ

櫻井 その意味でも、先ほどおっしゃった各国との軍事的な協力関係の強化が急務ですが、政府は日本の外交・安全保障政策の長期指針となる国家安全保障戦略(NSS)など「戦略3文書」を、年末をめどに大幅改定するとしています。それを受け自民党は提言を出しました。まず一つが、今後5年をめどにGDP比2%(約11兆円)まで防衛費を引き上げるというものですが、同盟国のアメリカでは“前向きに歓迎するが今の世界情勢下では不足だ”といった意見もあり、私も同感です。

岸田 政府としては、与党側と議論しながら現実的に何が必要なのか考え、それを国民の皆さんにも理解してもらう中で答えが出てくると考えています。世界の平和と秩序を維持する上では、各国が責任を果たしてくださいというのが今の国際社会ですから、日本が責務を果たすためにも必要なものをしっかり積み上げていく。国民の命と暮らしがかかってくるわけで、財政状況が厳しい中でもできる限り努力する。その兼ね合いを探っていくのが日本の立場です。

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