岸田総理、就任後初のロングインタビュー 櫻井よしこが斬り込む「改憲」「核」「中国」

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今日のウクライナ情勢は明日の東アジアか

櫻井 インドネシアへの巡視船の供与など、海上保安分野での援助を決定されました。イギリスとは日英円滑化協定で大筋合意もされましたね。ウクライナで起きたような侵略戦争に備える外交と見てよいですか。

岸田 今日のウクライナ情勢は明日の東アジアの姿かもしれない。そのような危機感を共有する必要性を強く感じています。英国はじめ、あのドイツですら、インド太平洋に艦船を送る時代になったのは、日本としても歓迎すべきことです。今後もインド太平洋への関心や関与を、アメリカのみならず欧州などの主要国にしっかり持ってもらうための雰囲気を作る努力を続けていきたい。

アメリカですら一国では自国を守れない

櫻井 円滑化協定が次の段階、ある種の同盟や準同盟といった形に発展することを目指しておられますか?

岸田 まだ具体的にそういったところまでは決まっておりませんが、英国とは、安全保障の点でも訓練や装備品など協力できる分野がたくさんある。そういった連携の可能性を他の国々とも追求していきたいですね。実際、アジアにおいても力による一方的な現状変更が起こり、将来的に日本の安全保障に関わる深刻な事態にならないとも限らない。これがウクライナ情勢において国際社会が得た一つの教訓だと思います。私も外務大臣時代、平和安全法制で野党と論戦を交わしましたが、あの時に感じたのは、科学技術の進歩や装備品の発達を考えますと、あのアメリカですら一国では自国を守れない。それが厳しい安全保障の世界だということでした。だからこそ、限定的とはいえ集団的自衛権について真剣に考えなければいけないという議論が行われた。このアジア、そしてインド太平洋の平和と安定を守るためにも、日本は自分の国を守るための防衛について考えなきゃいけない。併せて国際社会と平素から情報交換を行い、協力するために、円滑化協定をはじめさまざまな環境を作っておく。そういった仕掛けも併せ持たないと十分とはいえない時代です。

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