ミサイル連発でも「コロナで苦しむ北朝鮮」に援助したい林外相 日本で余るモデルナワクチンを供与する案も

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 林芳正外相(61)の発言が物議を醸している。共同通信は5月22日、「林外相、北朝鮮コロナに支援必要 『放っておけず』」の記事を配信した。

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 YAHOO!ニュースのトピックスに転載され、Twitterでも広範囲に拡散された。そのため、少なくともネット上では議論を呼んだ。担当記者が言う。

「北朝鮮とは国交がない。だが、感染拡大を放置すると、変異株などが世界に拡散する恐れがある──というのが林外相の主張でした。しかしSNSなどでは、当初から異論が相次ぎました。いくら人道支援とはいえ、日本人を拉致し、ミサイル・核開発を行っている国家を助けてやる必要はないとの意見が圧倒的でした」

 おまけに5月25日、北朝鮮は3発のミサイルを日本海に向け発射した。うち1発は大陸間弾道ミサイル(ICBM)と見られている。挑発行為であることは言うまでもない。

 FNNプライムオンラインが5月25日に配信した「北ミサイル3連発 なぜきょう? 次は核実験? “起爆テスト”実施」によると、今年に入ってからの発射回数は16回目で、過去最多だという。

「林外相の発言から3日が経っていましたが、ネット上では活発な議論が続いていました。そこに北朝鮮がミサイルを発射したとの報道が伝わり、人道支援反対の意見が更に増加したのです。一方、林外相の発言を受け、官邸では日本で余っているモデルナ製ワクチンを送ったらどうかという意見が出ているそうです」(同・記者)」

人道支援とは?

 ちなみに2021年6月、日本は余剰となっていたアストラゼネカ製のワクチンを台湾に送ったことがある。

 少数意見ではあるが、SNS上でも《北朝鮮の国民に罪はない。人道支援は必要》といった投稿も散見される。

 ちなみに外務省の公式サイトでは、「人道支援」を以下のように定義している。

《主要な国際機関等により「緊急事態またはその直後における、人命救助、苦痛の軽減、人間の尊厳の維持及び保護のための支援」》

 この定義を当てはめるなら、北朝鮮が国際社会から批判されていても、人命救助のためには支援を行うべきいうことになる。

 果たして、人道支援の意味をどう考えるべきなのか、北朝鮮に対する支援は必要か不必要か──。

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