W杯一次リーグで日本はスペインに大敗する可能性 ならばどう戦うべきか

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若手の積極登用

 そんなスペインの絶頂期は、2008年のEURO(欧州選手権)、10年の南アW杯、12年のEUROとヨーロッパの主要国際大会の3連覇であり、MFアンドレス・イニエスタ(神戸)のピークと重なっている。しかし14年のブラジルW杯は、初戦のオランダに1-5と大敗したのが響きグループリーグで敗退。16年のEUROと18年のロシアW杯はベスト16止まりで、イニエスタもロシアW杯後に代表引退を表明した。

 チームの再建を託されたのは、元バルセロナの監督だったルイス・エンリケだった。現役引退後はサーフィンの練習のためオーストラリアに移住したり、230キロを走るサハラマラソンやトライアスロンを完走したりするなど、一般人の常識にとらわれない発想の持ち主でもある。14-15年に古巣のバルセロナの監督に就任すると、その年のリーグ、コパ・デル・レイ(カップ戦)、CL(チャンピオンズリーグ)の3冠を達成。16-17年までの3シーズンで獲得したタイトルは実に9個に及んだ。

 復権を託された指揮官は若手を積極的に起用した。一時代を築いたがために、世代交代が遅れたからだ。20年11月の欧州ネーションズリーグではドイツに6-0と圧勝。20歳の新鋭FWだったフェラン・トーレス(当時はマンチェスター・C所属)はハットトリックを達成し、今年1月に移籍したバルセロナでもゴールを量産している。

「イエニスタの再来」は17歳

 東京五輪で活躍し、銀メダルの原動力となったペドリは、まだ19歳ながらレギュラーの座を獲得しているし、彼の控えには17歳で「イニエスタの再来」と言われるガビ(パブロ・パエス)もいる。ブンデスリーガのライプチヒで活躍中の左FWダニ・オルモは23歳。今シーズン終了後、移籍金80億円でバルセロナ入りするのではないかと噂されている

 不動の1トップはイタリアのユベントスで活躍しているアルバロ・モラタで、190センチ、84キロの体躯を生かしたポストプレーはかなり厄介だ。このように前線のタレントは豊富で、破壊力は世界王者で昨年10月の欧州ネーションズリーグで優勝したフランスに匹敵する。

 日本が“お手本”とする本家本元だけに、同じスタイルで勝負を挑んでも完成度の違いから大敗する可能性も高い。そんなスペインにつけいる隙があるとすれば、攻撃力を過信して前掛かりになることだろう。そこで日本としては、まずは守備を固めてカウンターを狙いたい。

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