W杯一次リーグで日本はスペインに大敗する可能性 ならばどう戦うべきか
日本が「無敵艦隊」と言われるスペインと対戦したのは過去に1度しかない。フィリップ・トルシエ監督時代の2001年4月25日、コルドバでの国際親善試合で対戦し、0-1で敗れた。
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このときのトルシエ監督は5BKに加え、名波浩、稲本潤一、伊東輝悦の3ボランチで守備を固め、攻撃は1トップの高原直泰とトップ下の中田英寿の2人という超守備的な布陣で臨んだ。
一方のスペインは、MFジョゼップ・グアルディオラ、FWラウル・ゴンサレスこそいたものの、キャプテンのCBフェルナンド・イエロ、ゲームメイカーのFMシャビ・エルナンデス、FWルイス・エンリケ(現監督)らを温存。マッチメイクが実現したのは、日本が翌年に控える日韓W杯の開催国だったからに他ならなかった。
ただ、それ以外にも日本とスペインには少なからず“縁”がある。例えば、日本の男子チームが初めてFIFA(国際サッカー連盟)主催の国際大会で決勝戦に進んだ、1999年にナイジェリアで開催されたワールドユース(現U-20世界選手権)。いまなお現役のGK南雄太(大宮)、MF遠藤保仁(磐田)、小野伸二(札幌)らは決勝でスペインと対戦し、0-4の大敗を喫した。この試合に累積警告で出場できなかった小野がいれば、これほど一方的な試合にはならなかったかもしれない。
FCバルセロナが“お手本”
そして男子が44年ぶりに五輪サッカーでベスト4に勝ち進んだ2012年ロンドン五輪。日本は初戦で“欧州王者”であり優勝候補の本命だったスペインに、大津祐樹(磐田)のゴールで1-0の勝利を収めた。快足を誇る永井謙佑(FC東京)のプレスから、スペインのCBを退場処分に追い込んだことも大きく、スペインはグループリーグで最下位に沈んだ。
そして昨年の東京五輪である。大会前のテストマッチで日本は1-1と引き分けたものの、フエンテ監督はMFペドリ(ペドロ・ゴンサレス・ロペス)やFWミケル・オヤルサバルらを温存。そして本大会の準決勝では1-0の僅差ながら、巧みなボールポゼッションで日本を翻弄した。
日本代表を含む各年代の代表チームはもちろんのこと、川崎Fを始め多くのチームが“ボールを保持して攻める”スタイルを追求している。そのお手本となっているのがジョゼップ・グアルディオラ監督の率いたFCバルセロナであり、スペイン代表が実践したボールポゼッションを高めたサッカーだった。
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