吉野家炎上に学ぶ「令和型危機管理術」 研修は本当に無意味なのか?

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 あまりに衝撃的だった吉野家の幹部による「生娘シャブ漬け」発言。自分たちの目の届かないところでこんな失言をされてしまってはお手上げ……。少なくない組織人が途方に暮れていることだろう。だが打つ手はある。令和の企業戦士が学ぶべき危機管理の新常識。

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「おいっ! うちの役員は大丈夫だろうな?」

「社長の今度の講演、危ない表現がないかもう一度チェックしておけ!」

 牛丼チェーン吉野家の常務が「生娘をシャブ漬け戦略」という失言で炎上したことを受け、いま多くの企業が明日は我が身では、と恐怖に震えている。

 結局のところ、どんなに手厚いコンプライアンス教育を施しても、経営陣たちの「失言癖」を矯正することはできないのだろうかと――。

騒動のあらまし

 改めて失言の経緯を簡単に振り返ろう。

 4月16日、早稲田大学の社会人向け講座の初日、「デジタル時代のマーケティング総合講座」に吉野家の伊東正明・常務取締役企画本部長(当時)が登壇した。伊東氏は新卒でP&Gジャパンに入社してから衣料用洗剤「アリエール」などのマーケティングを手がけ、2017年に退社、18年吉野家へ転職。業績回復に貢献したことで「敏腕マーケター」と称され、受講費38万5千円の講座における「目玉」の一人だった。しかし、件の大失言をしてしまう。発言の意図を彼はこう説明した。

「田舎から出てきた右も左も分からない女の子を無垢・生娘のうちに牛丼中毒にする。男に高い飯をおごってもらえるようになれば、絶対食べない」

 この発言は受講者によってSNSですぐに拡散されて大炎上。18日には吉野家は謝罪コメントを出し、伊東氏の解任・契約解除決定という対応をとった。19日に予定されていた新CM発表イベントも中止せざるをえなくなり、株価にも影響を与えた。

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