年内復帰宣言のGACKTは「一流」芸能人か炎上芸人か リアリティー時代でミステリアス売りを続ける違和感
「プレバト!!」に「東大王」……センスや機転といった「正解がないもの」でタレントを測る楽しさと怖さ
GACKTさんの「格付けチェック」初登場から3年後、始まったのが「プレバト!!」である。人気に火をつけたのが「俳句の才能査定ランキング」企画だ。「永世名人」の梅沢富美男さんと夏井いつき先生がぶつかりあうやり取りは、今や名物である。最近は俳句以外にも絵画やお弁当アートまで、さまざまな分野に広がっている。
一発勝負で問われる才能やセンス。評価点ごとに席順が変わり、出演者の順位が一目でわかる演出。GACKTさん同様、成功すればイメージアップになるが、自分より知名度が低いタレントに負けることもある。2018年には東国原英夫氏の俳句に盗作疑惑が持ち上がった。一億総中流意識が続く中、上流へと一抜けしようとする人間に向けられる目は厳しい。
タレントどうしではなく、「一流」と競うコンテンツも人気だ。たとえば東大生にクイズで挑む「東大王」。優秀な小学生たちがサポートする「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」もある。知識だけでなく、機転を問う謎解き問題も多いのが特徴だ。「学歴の高さより地頭の良さ」という言説も根強い。東大や進学校に通う子を持つ親の年収は平均より高いと聞く。これも経済力至上主義へのカウンターと感じるのは深読みしすぎだろうか。
経済成長は頭打ちとされる今、センスや思考力といった「数字で測れない、正解がひとつではない能力」への期待が一層高まっているのだろう。評価者次第で一発逆転が可能という面白さもある。能力査定型の番組が人気なのは、タレントの新たな一面が見えるからだけではない。老若男女問わず楽しめて、自分が上流なのかどうかという気持ちを刺激する。自分より良い生活をしているはずの有名人と、力比べできる感覚をもたらすからという気もする。
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