投手をやらされた中日「根尾昂」の現在地 評論家は「我慢して起用を続ける時期は過ぎた」

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立浪監督の説明

 投手でプロ入りしたものの、後に打者へ転向した選手がいる。こうした“元投手”の生涯記録に、1軍での登板機会が残っているのは珍しくも何ともない。

 増田は高校生までは投手だったが、独立リーグの徳島インディゴソックス時代から内野手に転向した。彼のように「プロでは最初から打者」が投手として1軍の試合に出場したのは、日本の場合は類例に乏しいということのようだ。

 広尾氏の調査によると、《2000本安打を打った54選手のうち、投手成績がある》のは、川上哲治(1920~2013)、広瀬叔功(85)、柴田勲(78)、石井琢朗(51)の4氏だけという。

「川上さん、柴田さん、石井さんの3氏は、プロ入りした時は投手でした。根尾さんや増田さんと同じ『プロ入団時点で打者』という条件を満たすのは広瀬さんだけなのです。メジャーとは異なり、日本のプロ野球で打者がマウンドに立つことが、どれだけ珍しいかがよく分かります」(同・担当記者)

 改めて、なぜ根尾はマウンドに立ったのか。中日の立浪和義監督(52)が明確な説明を行っていないことも、様々な議論を呼ぶ一因になっているようだ。

精神面への悪影響は?

「広島戦での起用について立浪監督は、『最後の一人がどうしても足りなかった』と、投手不足が原因だと説明しました。更に『またこういう展開で投げることもあるかもしれない』と、大差で負けている時は投げるという、メジャーリーグスタイルでの起用についても言及しました。その一方で、今後については『なんとか根尾を生かしていかないといけない。今年1年で、根尾のことは考えながらやっていきたい』と、妙に思わせ振りな発言もしたのです」(同・担当記者)

 野球解説者の広澤克実氏は、「根尾くんが高校3年生だった2018年、夏の甲子園が強く印象に残っています」と言う。

「大阪桐蔭高校の根尾くんは、2回戦と準々決勝で先発しましたが、決勝戦では登板しませんでした。中日の入団会見でも、『ポジションはショート一本でいかせてください』と球団に依頼したと説明しました。打者としてやっていくと決断したとばかり思っていましたから、今回の登板には本当に驚きました」

 根尾は今年のキャンプで、投手としての準備も重ねてきたという。とはいえ、もし「投手はもういい」と決心したにもかかわらず、再びマウンドに立つよう指示されたのだとしたら、精神面などに悪影響が出ないかと心配になるという。

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