投手をやらされた中日「根尾昂」の現在地 評論家は「我慢して起用を続ける時期は過ぎた」
中日の根尾昂外野手(22)が5月21日、1軍のマウンドで初登板を果たした。対広島戦(マツダスタジアム)は、8回表が終了した時点で1-10と敗色濃厚。6番手ピッチャーとして登場すると、15球で打者4人を1安打無失点に抑えた。“二刀流”への期待が高まったかと思いきや、野球評論家からは異論が相次いだ。
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ちなみに5月22日の日刊スポーツでは、根尾の投球を好意的に報じている。
《投手用に用意した新しい赤いグラブが映えた。西日で赤く染まるマツダスタジアム。マウンドに上がった根尾は、バックスクリーンを向き両手を広げて息を整え、打者に向き直った。先頭坂倉への初球は150キロ。大阪桐蔭時代、8日のウエスタン・リーグ阪神戦(甲子園)でも投じた自己最速タイに、3万132人の目撃者から拍手とともに感嘆の声が上がった》
だが、プロ野球OBからは厳しい意見が相次いだ。スポーツメディアの報道から、見出しだけご紹介しよう。出典は全て電子版だ。
◆上原浩治氏 中日・根尾の1軍初登板に「投手として鍛えるんであれば2年、3年必要」(スポニチAnnex:5月22日)
◆中日OB・宇野勝氏が“根尾二刀流”を嘆く「打つ方も投げる方も中途半端になってしまう」(東スポWeb:5月23日)
◆里崎智也が語る“二刀流”としての大前提「根尾は今のままでは中日投手陣に入ってくる能力はない」(テレビ東京スポーツ:5月24日)
増田大輝への批判
8日に2軍の対阪神戦で登板したことについても、中日OBの山崎武司氏(53)が批判した。
◆「根尾は今ピッチャーやってる場合じゃない」山崎武司さんがバッターへの集中を助言「二刀流、流行ってるけど…」(東海テレビ:5月14日)
まず、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平(27)のような“リアル二刀流”は、日本であれアメリカであれ、非常に稀な存在であることは言うまでもない。
その一方で、メジャーリーグでは点差が非常に開いた時など、野手が投手としてマウンドに立つことはよくある。中継ぎ陣を休ませるためだ。
ならば日本の場合はどうか。ここで興味深い記事がある。NumberWebが5月22日に配信した、
「『ピッチャー根尾昂』に思い出す大阪桐蔭での輝き …大谷翔平は別として“野手で登板”はイチローや2000安打達成者も《巨人・増田大輝の時は賛否》」
は、野球の記録に詳しいフリーライターの広尾晃氏が執筆したものだ。担当記者が言う。
「広尾氏によると、日本では『野手がマウンドに立つのは相手チームに失礼』という考えがファンの間でも根強いためか、類例に乏しいそうです。2020年の対阪神戦(甲子園)で、巨人の増田大輝外野手(28)がマウンドに立った時も、ファンからの批判が相次いだことが紹介されています」
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