「過度な自粛こそがリスクだ」 音楽フェス主催者が語る「こんなご時世に佐賀・唐津でフェスをやる理由」

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愛知から「出禁」に

 5月28日と29日、佐賀県唐津市鎮西町の波戸岬で、キャンプと音楽フェスが融合した「Karatsu Seaside Camp 2022 in 玄界灘」(以下「KSC」)が開催される。音楽ステージは“岬のステージ”と“砂浜のステージ”に分かれており、いずれも玄界灘の絶景を見ながら音楽とキャンプを楽しめる。出演するアーティストはかなり豪華で、奥田民生、氣志團、トータス松本、真心ブラザーズ(スペシャルゲストに元チャットモンチー・橋本絵莉子)、SHISHAMOら15組。(チケットは現在発売中)。コロナ禍を経て、音楽フェスはどうなっていくのか。KSCについて、佐賀在住のネットニュース編集者・中川淳一郎氏が取材した特別レポートをお届けする。

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 音楽フェスといえば、新型コロナウイルス発生以降、常に「悪者」扱いされてきた。元を辿れば2020年2月、大阪のライブハウスで開催された音楽ライブでクラスターが発生したことから「音楽イベントは“密”」「音楽イベントに行くような人間はハメを外し大声で騒ぐ」といった印象が生まれた。

 そうしたことから音楽フェスもクラスターの発生源になるといった偏見を持たれるようになっていく。特に話題となったのは、愛知県常滑市で2021年8月29日に行われた8000人規模のフェス「NAMIMONOGATARI 2021」だ。マスクをしない客がいたり、ソーシャルディスタンスが徹底されていなかったりで、酒も販売されたことから県のガイドライン違反をしたことが明らかになり、大村秀章知事が激怒。愛知から同イベントは「出禁」になった。

真木蔵人のMC

 同イベントについては、出演したミュージシャンがその後の公演を延期するなどの余波があった。ガイドラインを重視していない非常識かつ人命を尊重しないイベントに参加したという批判を浴びたことから、大事を取ったわけだ。そして同フェスでは、MCの真木蔵人がマスクをしない観客に注意を与えた件については絶賛された。以下は、J-CASTニュースのタイトルだ。

〈ルール無視の密フェス観客に、真木蔵人ブチギレ説教 「マスクぐらいしてやってくれよ!」動画拡散〉

 もう一つ話題となったフェスが、2021年8月に茨城県で開催される予定だった国内最大級の野外音楽イベント「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」(以下、ロック・イン・ジャパン)だ。2019年は5日間で33万7421人が参加した。主催者はステージ数を減らすほか、観客数を減らす措置を取った。しかし開催直前の7月、新型コロナウイルス感染拡大を懸念する茨城県医師会が主催者の一つである地元FM局に中止要請書を手渡し。医師会のHPにもその時の写真を公開した。結果、同フェスの主催者・ロッキング・オン・ジャパン代表取締役の渋谷陽一氏は開催を断念し、2022年以降は千葉県で実施することを発表した。

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