スマホはウクライナに筒抜け、タイヤは中国製、携行食の横流し…ロシア軍のグダグダ過ぎる内情とは
中身はシート!?
「爆発反応装甲」とは、戦車の装甲にわざと爆薬を貼りつけ、ミサイルや砲弾が当たると装甲が爆発し、その威力でミサイルや砲弾の威力を減らすというものだ。
ロシア軍自慢の装備だというが、ウクライナ軍に破壊された戦車は山のようにある。この理由について記事では、軍事ジャーナリストが次のように解説している。
《「フェイク動画かもしれませんが、爆発反応装甲の性能を疑ったのか、ウクライナ兵が中身を調べるという動画がネット上にアップされています。鹵獲(ろかく)したロシア製戦車に装着された爆発反応装甲をチェックすると、中身は爆薬ではなく、厚手のシートが畳んで詰め込まれていただけという結果でした」》
真っ赤なニセモノが装着されていたというわけだが、これに「軍事予算のピンハネ、横領」が影響を与えている可能性があるという。
「爆発反応装甲を製造・装備するための予算を、軍の高官がちょろまかしてしまうわけです。そのため、爆薬ではなく厚手のシートを入れたニセモノを用意して、ごまかしているのではないでしょうか」(同・軍事ジャーナリスト)
モンキーモデル
こんな悪質な手口がまかり通るのは、「輸出用の兵器は、自国用より意図的に性能を落としても構わない」という世界的な“慣例”を悪用しているからだという。
「輸出用に性能が劣った兵器は、英語で『モンキーモデル』と言います。自国用と同じ性能を持つ兵器を輸出してしまうと、もし輸出国と戦争が起きた場合、撃破できません。“安全保障上の理由”から、輸出する際は自国用よりスペックを落とすという“慣例”があるのです」(同・軍事ジャーナリスト)
戦車の場合なら、装甲の耐久性を落としたり、鋼材の質を下げたりする。輸出用の兵器を買う国も「これはモンキーモデルの可能性がある」と分かった上で購入費を払うという。
「ロシア軍の内部で、軍事費をピンハネしたため、正規の爆発反応装甲が製造できなかったとします。その際、『これは輸出用で、モンキーモデルの爆発反応装甲だ』という“口実”で、『中は厚手のシートだけ』というニセモノを作ることもあるようです」(同・軍事ジャーナリスト)
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