日テレ「久野静香アナ」も……次々辞める“人気アナウンサー”の本音を業界通が分析

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「やってらんない」

「テレビ局の正社員でありながら芸能人やプロスポーツ選手にも近づける華やかさがあり、給料や福利厚生も日本最上位、20代後半で年収は1000万円を超えた時代もありました。しかし、時代も社会も変わりました。テレビ局員という地位に執着することはなくなったのです。今年は特に、それを顕著に感じます」

 どういうことだろう。

「最近、退社が相次いだ要因として、コロナ疲れと厭世観があるように思います。2020年3月に志村けんさんが亡くなり、日本中に新型コロナの恐怖が拡がりました。アナウンサーたちも人類の危機として、張り詰めた気持ちで放送を支えてきた。あれから2年が過ぎ、世間では緩みの兆しが見えてきましたが、テレビの現場はいまだに厳しいコロナ対策と、報道倫理、コンプライアンスが求められ続けています。“やってらんない”という思いになっても不思議ではありません」

 そんなに自由のない職業なのだろうか。

ネット社会の弊害

「顔の知られた局アナたちは、仲間と居酒屋で飲み会を開くことすらできません。アナウンサーは緊張が強いられる仕事ではありますが、実働時間は打ち合せと本番だけなので短い。実働時間が長いロケは皆無ですから、地方で気晴らしもできない。残業がないわけですから、給与はほとんど基本給です。割に合わないと考え始めるのではないでしょうか」

 なぜそんなに思い詰めてしまうのだろう。

「ネット社会の弊害があると思います。ちょっと前まで各局の広報は、週刊新潮、週刊文春、週刊ポスト、週刊現代など、せいぜい十数誌を相手に対処すれば良かった。部数だって多くても60万部程度ですから、視聴率で言えば1%にも満たなかった。それがネット社会となった今の世の中では、悪意に満ちた匿名の書き込みで、あっという間に1000万PVを超えて国民的ニュースになってしまいます。フジのステマ騒動だって、SNSに写真を掲載しただけのグレーゾーンです。にもかかわらず、世間の注目を浴び、指弾され、謝罪し、局内の処分を受けるわけです」

 ただの会社員なのに、タレント並みの知名度を持ってしまった不幸か。

「やったことと、その代償の差が大きすぎます。その渦中に入った者しかわかりようもありませんが、そのプレッシャーと脱力感は想像を超えるそうです。もはや局アナは憧れの職業ではなく、割に合わない仕事になりつつあるということでしょう」

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