50歳で真打昇進! 春風亭柳雀が語る37歳での入門 前職はIT系のエリートサラリーマン
18歳年下の先輩
プライベートでは自他共に認める大のロック好き。会社員時代は勤めの傍ら、1970年代後半から80年代に米国で人気を博したロックバンド「カーズ」のファンサイトを運営するほどハマっていた。
敬愛するバンドのデビュー曲は「燃える欲望」。その歌詞とビートに自身の覚悟を重ねたのか、柳雀は勤務先に辞表を提出。そのまま、尊敬していた鯉昇のもとに入門を願い出た。
「会社に籍を置いたままでは、師匠に“会社にいた方がいいですよ”と断られるだろうと。退路を断った上でお願いすれば、何とかなると思ったんです」
かくして始まった前座生活では、3年先輩に柳亭小痴楽(33)が。当時19歳の小痴楽は、柳雀より18歳も年下だった。
「それでも僕には会社の上司みたいなもの。たくさんのことを教わりました。といって、私の同期は年齢が一回りも下の若者ばかり。私自身、いまもまだ30代とか40代の感覚で、50歳という実感はないんですけどね」
真打デビューとなった新宿・末廣亭での初日には、英国のロックバンド「クイーン」のフレディ・マーキュリーや、“キング・オブ・ポップ”ことマイケル・ジャクソンらを古典の「皿屋敷」に登場させるアレンジを披露して爆笑を誘った。
異例の遅咲きながら、「落語家への転職に後悔はありません」とキッパリ。破天荒にも見える生き様と芸風はロックンロール!
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