元気な高齢者は「外出自粛」をしていない? 専門家が語る「中高年の生き方」三つのタイプ

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ジョギングより、ゴルフやテニスがおすすめ

 先の石蔵氏はこんな助言をしてくれた。

「高齢者は時間に余裕があるので、むしろ人出が少ない大型連休明けからが、自由に旅行へ出かけるなど活動的になるチャンスだと思います。いつもと違う方向に向かう電車に乗って、知らない町の風景に触れるだけで普段の生活とは違う刺激を受ける。その際は、一人旅よりご夫婦や仲間と出かけた方がよい。認知機能の衰えは、人との交わりである程度まで予防できることが分かっていますからね」

〈知らない街を歩いてみたい〉の名曲「遠くへ行きたい」。あの永六輔の歌詞は正解なのだ。

「運動も一人でできるジョギングよりは、ゴルフやテニスなど相手との交わりがほどよくとれるスポーツがおすすめです。ただ、その際に“昔はオレも強かったんだ”などと豪語して、勝敗にこだわれば周囲の人に嫌われてしまいます(笑)。ほどほどに体を動かす程度を目標にしたいところですね」

80歳まで長生きしたら、あとは自由に

 最後に秋津氏からは、

「コロナを恐れている人も、基本はうがいや手洗い、マスクなど感染対策をした上で、今までより外出する機会を増やしてほしいですね。家にいたいという人でも、SNSはさまざまな人とつながることができる有効なコミュニケーションツールですから、積極的に利用して社会性を保つようにすべきです。私の患者さんたちには、70代までは医師の指示に従ってほしいとは言っていますが、無事に健康寿命を超えて80歳まで長生きできたとすれば、ご褒美として飲酒喫煙、好きなことをして過ごせばいいと話しています。それまで健康に生きてこられたのは、その人の体質に合った習慣を送っていたからで、無理に食事制限を課したり、禁煙や断酒を続けても意味がありません」

 そんな「快活な80代」を迎えるためにも、まずは「自粛生活」に慣れきってしまった自らの生活を見直すことから始めてみたい。

週刊新潮 2022年5月19日号掲載

特集「専門医たちが指南 手遅れになる前に外に出よう! 『快活80代』になるための『70代の分かれ道』」より

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