元気な高齢者は「外出自粛」をしていない? 専門家が語る「中高年の生き方」三つのタイプ

ドクター新潮 健康 長寿

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 大型連休が終わり再び日常が戻ってきたが、もはや我々はコロナ禍の下で「自粛生活」当たり前となってはいないか。しかもそれが、己の体を確実に蝕(むしば)んでいるとしたら……。

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 全国規模での行動制限がないGWは実に3年ぶりのことだった。繁華街や行楽地は賑わいをみせたが、あなたはどう過ごしただろうか。新型コロナの流行以来、巣ごもり生活に慣れて、出不精になったという人もおられるのではないか。

 事実、この連休前までは、高齢者が感染したら重症化するという懸念から、日本人の多くが不要不急の名の下に「外に出るな」という同調圧力を素直に受け入れてきた。特にコロナへの危機感が強い70代、80代の人たちは、家にこもるうちに足腰が弱り、また刺激が乏しいがゆえ心身共に衰えが目立っている。

 懸念されるのは、同じ高齢者の中でも「自粛する人々」と、感染予防に努めながらも「外に出る人」との間に、大きな差が開いていることである。本誌(「週刊新潮」)では、中高年から支持を集める『80歳の壁』(幻冬舎新書)の著者で、高齢者専門の精神科医として約35年間、6千人を超える高齢者を診てきた和田秀樹氏の知見を基にして、そうした現実に警鐘を鳴らしてきた。

 コロナ禍で身に付いてしまった家にこもる生活が、いかに高齢者の体を蝕む悪習へと転じたか。行動制限が緩和された今こそ、外に出て心身を活発に健やかにするチャンスである。そう和田氏は提唱したが、実践できた人もそうでない人も、大型連休後に再び始まったコロナ禍の日常をどう過ごしていくか。それが「充実した老後」を送れるかどうかの大事な分かれ道になるという。

自粛生活から抜け出せない人

 改めて和田氏に尋ねると、

「各地の人出が増えたと報じられていますが、高齢者の外出は完全には戻ってきていないと聞きます。GWに若年層の多くが“もう自粛生活はこりごり”と活動的に過ごしたのに比べて、高齢者は“外に出るのがおっくう”となり、冒険する心が衰えているのではないか。そういった風潮はコロナ禍でより加速してしまったように見受けられます。私が危惧するのは、日本中でマスクを外してもいいとなっても、大半の高齢者が以前のような日常に戻ることができなくなってしまうこと。潜在的に自粛生活から抜け出せない人は、かなりの数にのぼると思っています」

 その理由の一つは、人との接触をなるべく減らし、密を避ける工夫に満ちた「ウィズコロナ」の社会にあると和田氏は指摘する。

「私自身もびっくりしたのですが、今年3月に出た拙著がアマゾンのランキングで1位になるほど、中高年の皆さんの多くがネットで書籍を購入している。さすがに生鮮食品など日常の買い物まで全てをネットで済ます人は少数派かもしれませんが、外出しなくても済ませられることが増えすぎています。高齢者だろうとウーバーイーツを一度でも覚えてしまえば、これは便利だと外食しなくなる。コロナで外に出る習慣を失った人は多いはずです」

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